2021年現在、地価は全国的に上昇傾向にあり、とくに東京圏の不動産価格は7年連続で上昇しつづけている。なかでも東京の湾岸エリアなどに林立するタワーマンション、いわゆるタワマンは、便利な立地や豪華な設備、眺望の良さなどから根強い人気を誇る、いわば「富と成功の象徴」だ。 しかし、世界中を襲った新型コロナウイルスによるパンデミックをきっかけに、タワマンの資産価値が揺らいできているようにも思える。 本記事では、憧れのタワマンを購入したものの、購入前には想像していなかったリスクやトラブルに見舞われてしまった人たちのケースを実録でお伝えする。 リモートワークで明らかになった「思わぬ誤算」 木下孝介さん(34歳・仮名、以下同)は、オフィスから徒歩圏内の渋谷のタワマンの高層階を2年前に購入し、夫婦ふたりで暮らしている。コロナの感染が拡大しはじめた2020年3月から2021年10月現在まで、ふたりとも基本的