男色の日本史 なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか 著者:ゲイリー・P.リュープ 出版社:作品社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 男色の日本史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛んに法会が催され、僧侶が政治的影響力をもつ。これを1970年ごろ、黒田俊雄は「権門体制論」の中でスパッと説明してみせた。 仏教寺院を一大拠点として隆盛を見た(この点でキリスト教の教会とは異なる)男色(なんしょく)も、まさにそうしたものである。高貴な階層から庶民まで、日本人は男色を好んだ。これは疑いなさそうだ。でも、その理由は? 実態は? そこで本書の出番と相成る。 日本史を専攻するタフツ大学教授による