みずほフィナンシャルグループ、トヨタ自動車、日立製作所、NECなど、これまで1000人以上の大人数の新卒定期採用を行ってきた企業が、2010年の採用を最大で前年比9割減と大幅に抑制する。日本経済新聞社の「採用計画調査」(今年4月時点)によると、2010年春の大卒採用計画数は8万2500人で、昨年度比約20%減に達する。昨年までの売り手市場は、一転して買い手市場に変わってしまったようだ。 業績の見通しが立たない中、雇用調整がしづらい正社員の採用はリスクが大きいのも確かだ。一方で、採用を抑えれば人員の自然減で、人件費が減り利益を引き上げることができる。リストラや賃金カットは、今働いている社員たちを雇用不安にさらし、モチベーションを下げてしまう。それならば、もし増員の必要性が生じても、当座の必要人員は中途採用や派遣社員で穴埋めし、新卒採用はしばらく控える方がいいと考える企業は多いだろう。 しかし