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  • ロブ・ゾンビの最凶ホラー核弾頭『The Lords of Salem』には宗教冒涜が刻印されている - 1953ColdSummer

    The Lords of Salem (日公開未定) 2013/アメリカ 監督・脚:ロブ・ゾンビ 出演:シェリ・ムーン・ゾンビ/メグ・フォスター/他   春日の陽気に当てられつ、ずびずびと釜揚饂飩を啜っていたら、インターホンがぴんぽーん、ぴんぽーん、なんつて、人を召喚せしめやがる。  で、玄関に行くでしょう。相手が武装強盗/異常者でない事を念じりながら玄関のドアを開けるでしょう。はな、そこに立っていたのは魔女の宅急便。つっても、箒とを従えた黒頭陀のキキではなく、むしろそんな期待をしていた方が阿呆なのだけども、作業着のお兄さんが、春だからか、満面の笑みで「はいこれ」とブツをこちらに手渡し去ってゆく。何が魔女の宅急便じゃこの大木瓜がっ、と言いたくもなりましょうが、魔女、の主語は、陽気な配送員のお兄さんではなく、そこから手渡されたブツにかかっておるのであって、そのブツこそが此度紹介致したく

  • 今世紀最凶のグロテスクを装って帰ってきた!! 『The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2) 』 - 1953ColdSummer

    1953ColdSummer : 今世紀最凶のグロテスクを装って帰ってきた!! 『The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2) 』 The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2)  The Human Centipede II :Full Sequence 日公開未定  2011/イギリス/アメリカ 監督:トム・シックス  世の中には、やって良い事、と、やって悪い事、という区別があって、だいたいの人は自己の良識に照らし合わせ判断、悪い事はせず、良い事をしようと心がけており、その善性がまた社会を形作る土壌となっておるのだが、人口もこれだけ増加すれば、ほんのちょっぴり、やって良い事と悪い事の区別がつかない人間が出てくるのも致し方ない。  ……ということで、今回は、やって良い事と悪い事の区別がつかなく

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2012/02/19
    やっぱ下痢便、色ついてますよね。僕、頭が勝手に補完して色味がでているのかもしれないっと、不安でした。
  • 『ヒミズ』 闇の中を這いずっているすべての若者へ - 1953ColdSummer

    ヒミズ 2012/日 PG12 監督:園子温 原作:古谷実 『ヒミズ』  新訳Zガンダムのラスト(『星の鼓動は愛』)を観たときには、ああ、これでやっとわたしはZガンダムの呪縛から解放されたのだ、僥倖、万感の思いが胸に飛来せしと1人でほたえていたものだが、2012年新春初の映画である『ヒミズ』を観て、またわたしは、劇場で1人ほたえる羽目になり、嗚咽、痙攣、精神崩壊などを併発し、「あぱぱぱぱ」となっているところを病院に搬送されたのだが、この『ヒミズ』の感激、情動などをブログを通じて世界に広めたいがため、病院から脱走してきた。半ズボンで、薄笑いを浮かべながら。  原作『ヒミズ』には並々ならぬ思い入れがあって、それは例えば、若いが故に胸中に溜る澱の如きものであるとか、他人から見れば意味不明であろう価値観と概念のせめぎ合いであるとか、地球を逆回転させて時間を戻したときにはどうしようかと思ったことで

  • 悪人は殺していいの? いいに決まってるよ! 俺がそう決めた! 『スーパー!』 - 1953ColdSummer

    スーパー! SUPER 2011/アメリカ R15+ 監督:ジェームズ・ガン  映画館で映画を鑑賞するに際しては、財布をスられたとかでない限り必ずパンフレット、サブカルオシャレ野郎風に言うとプレスを買うようにしておるのだが、シネコン、特にサービス・デイのときなぞは、売り場にちょっとした行列が出来ておったりして、これが中々に居心地が悪い。  イライライラ。列が全然前に進まないなぁ、イライライラ。と、この六文字のオノマトペだけで、わたしがどんな気持ちで列に並んでいるか察していただけようというものだが、その、列が、全然、前に、進まぬ、理由として、やはり最も大きいのは、レジでのやり取りが遅い、トロい、鈍臭い、これに尽きると思われる。  レジの前まで来てからどの映画のパンフレットを買うか考え出す者、不器用な手付きでこれまた不器用に小銭をひとつひとつ取り出し始める者、後ろの行列を考慮することをせず、売

  • 『ホーボー・ウィズ・ショットガン』 街のダニどもに血肉の華を咲かせてやれ! - 1953ColdSummer

    ホーボー・ウィズ・ショットガン HOBO WITH A SHOTGUN 2011/アメリカ R18+ 監督:ジェイソン・アイズナー 主演:ルトガー・ハウアー  悪代官が悪行の限り、年貢の絞り上げ、町娘のかどわかし、などを行なっておるところに、ここはまあ凄腕の剣客でも旅の博徒でも先の副将軍でも何でもいいのだが、そんな正義の人がやってきて、とりゃっ、とりゃりゃっ、などと悪代官の手先を斬殺、命乞いをする悪代官に正義の裁きを、なんてお話は、歯の抜けた老人が湯呑みをフルフル震わせながら観るに限らず、割と普遍性を帯びたお話であって、これは舞台を西部劇にしようが中世ヨーロッパにしようが比較的容易に成り立つ。その意味に於いては、クリント・イーストウッドだってロビン・フッドだって同じしたり顔を晒しておるものである。  岡山にてやっとこさ上映が始まった『ホーボー・ウィズ・ショットガン』を観てきたのだが、これも

  • トップダラー禍津が今年観た映画/2011年ベスト&ワースト+アルファ! - 1953ColdSummer

    はぁい! はぁい! はぁい!(口を半分開けてよだれを垂らしながら挙手)  今日は褌をキリリと締め込んで頑張ったのである。水周りの大清掃、買い出し、社会奉仕のどぶ攫え、ええと、これらを、下人に命じて自分は褌をキリリと締め込んでおっただけで、特にやることも無いので、そもそも何でこんなに周囲がバタバタしておるのかと思考を巡らせてみたところ、これはもう年の瀬が目前に迫ってきておるからであって、年の瀬、年の瀬、『Round ZERO 〜BLADE BRAVE』は相川七瀬、たはっ、おほほっ、と現実を逃避しマスターベーティングスマイル、うすら笑いを顔面に貼り付けたまま、とりあえず挙手してみた次第である。はぁい!    さてこうして挙手した以上、年末ならではの何か有意義なことをしなくてはなるまいね! と、発奮し、鏡を手刀で叩き割るなどしておったのだが、これがどうも虚しく、手も痛いし、泣けてきたのでプレイ

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2011/12/29
    そうそう、Dogtooth!
  • わたしは断固として「チンチン」と呼ぼう 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』 - 1953ColdSummer

    タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 THE ADVENTURES OF TINTIN: THE SECRET OF THE UNICORN 2011/アメリカ G 監督:スティーヴン・スピルバーグ 製作:ピーター・ジャクソン他 脚:エドガー・ライト他 原作:エルジェ 『チンチンの冒険』を観てきたのである。  何に、或いは誰に配慮しているのかは知らないが、原題『TINTIN』を無理やり『タンタン』などと呼ばせるようなことは、チンチン君ならび原作者のエルジェ氏に対してこれ失礼極まりなく、また、スピルバーグのチンチン愛にハチミツをぶちまけるが如き思想の顕現であるとわたしは考えるので、以後、弊ブログでは『チンチン』で呼称を統一しようと思う次第。  チンチンの冒険。ユニコーン号の秘密。こうしたネーミングが持つ、一種の魔力のようなものを感じたことがあるだろうか。  過日、わたしは家の押入れの整理をし

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2011/12/03
    うん。チンチンでOK!
  • 『ラスト・エクソシズム』 その行状、悪魔か否か――。 - 1953ColdSummer

    ラスト・エクソシズム THE LAST EXORCISM 2011/アメリカ PG12 監督:ダニエル・スタム 製作:イーライ・ロス他  真面目なのはかっこわるい、あー適当々々、手抜き手抜き、はは、ってのがかっこいい、て風潮があるでしょう。  こうした風潮は誰もが若年時に陥りかける小児疾患の如きもので、普通は一定のタイミングを目処に、さ、真面目に頑張るか、と社会性に目覚めるものであるが、たまーに「真面目なのはかっこわるい」を引きずったまま歳だけを重ねた人がおって、そうした人は、まあ、冬のキリギリスの如き末路を辿るであろうことは想像に難くないと思うんだ。  でも、世の中には賢い人がおるのであって、「真面目なのはかっこわるい」を地で行きながら、それと思わせず、インチキな商売で糊口を凌ぎ、のみならず、社会的信用を勝ち取るまでに至る人も存在するのだね。  ニュートラルな立場のわたしとしては、そうい

  • 『探偵はBARにいる』 ススキノ探偵物語とファム・ファタール - 1953ColdSummer

    探偵はBARにいる 2011/日 PG12 監督:橋一 原作:東直己『バーにかかってきた電話』 「色は指南の外」なんて言葉があるように、他人の色恋沙汰にワガの首を突っ込んで得をすることなぞ殆ど無く、逆に損をすること、不愉快なこと、あほらしいこと、などにまみれた挙句、貴重な時間と労力を無駄に浪費してしまったという塊根に空虚な人となってしまい、遺書をしたためを揃えて崖からダイブ、南無々々。と、まあそんな人間が居たら遠くから見てみたいものであるが、兎角、他人の好いた好かんに口を出すのは、あまりよろしくない結果をもたらし勝ちなものである。  だが、わたしなりに考えてみると、他人の色恋沙汰なんてものは俯瞰すればするほど面白く、当事者とならん限りはこれ、いにしえより続いてきた最高の「人間コンテンツ」なのではなかろうかと思う。  以前、学生時代に、同期の桜であったゴリ君という人があって、その仇名の

  • 映画ファンのダボ 『世界侵略:ロサンゼルス決戦』 - 1953ColdSummer

    世界侵略:ロサンゼルス決戦 BATTLE: LOS ANGELES 2011/アメリカ PG12 監督:ジョナサン・リーベスマン  時折、頭を悩ませることがあって、それは、自分はもしかして、抜作なのではなかろうかということである。  もしそうであった場合、これは非常に困る。何故ならば、賢者と抜作が同時に別内容のことを言った場合、多くの人は、これ賢者の言の方を信じ、抜作には物を投げつけ、痛い、やめて、と言っても抜作の言うことなので信じてもらえず、頭を痛打しまくった結果アパパになってしまい、余生をこれ鉄格子の付いた病院などで送らなければならなくなってしまうからである。  かような災禍を逃れるべく、乃公は抜作なのであろうか、と自問するたび、なぁに、人語を解することができるから大丈夫、他人にいきなり尻を見せるなどしないから大丈夫、と騙し騙し、気丈に振る舞ってきたのだが、2011年9月、ここに来て、

  • クジラをブッ殺して何が悪い! 人間をブッ殺して何が悪い!『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』 - 1953ColdSummer

    1953ColdSummer : クジラをブッ殺して何が悪い! 人間をブッ殺して何が悪い!『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』 レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー  REYKJAVIK WHALE WATCHING MASSACRE 2011/アイスランド R15+ 監督:ユリウス・ケンプ  海洋版『悪魔のいけにえ』との誉れも高い、アイスランドで初めてのスプラッタ映画。  なのだが、捕鯨問題という、何というか、くそややこしい、くそめんどうな、くそポリティカルな背景が大前提としてあるがため、普段からノンポリを貫徹、選挙に行けば投票用紙に「みんな大好き!」と書いて投票することで有名な弊ブログでは、少しく扱い辛い映画ではある。  ということで、捕鯨に関してはなるべく触れずして稿を進めようと思う。  ところで、アイスランドといえば日と比肩する捕鯨大国であるのだね。

  • 『ゾンビハーレム』 男と女、生命の尊厳を賭けた最後の闘い! - 1953ColdSummer

    ゾンビハーレム  DOGHOUSE 2009/イギリス  監督:ジェイク・ウエスト  ユダヤの王と祀り上げられた中東の大工の息子、まあ、ジーザスマゾヒストことイエス・キリストさんのことなンですが、この人は、「神の御国では、後のものが先になり、先のものが後になる」などとたいへん意味の分からないことを言ってドヤっとシブメン決めておったそうで、そのあまりのフリーダムっぷりに信者が右往左往、現代に至るまでああだこうだと宗教やっている人たちの間で論争になっておったりして、傍迷惑なことこの上ない。  例えばどこぞの阿呆が影響されて、人気ラーメン屋の行列に割り込み、何しくさっとんじゃ、ちゃんと並ばんか、この餓鬼ゃあ、と一喝されたものの、済ました顔をして、「神の御国では、後のものが先になり、先のものが後になる」とのたまった場合、下手すれば暴行致死殺人事件に発展するなどして、起こさんでもよい揉め事が起きてし

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2011/08/20
    おっさんの青春映画だと思ってます。
  • ミクロコスモスの不思議な終焉。『DOGTOOTH』 - 1953ColdSummer

    DOGTOOTH (日公開未定) Κυνόδοντας(Kynodontas) 2009/ギリシャ R18+ 監督:ヨルゴス・ランティモス  産まれたときから家の敷地外に1歩も出ることなく、そのまま家の外を知らずに育った、1人の息子と2人の姉妹。  輸入盤で鑑賞。  親子5人で暮らしているギリシャ郊外の邸宅。そこにはハイティーンであろう少年少女3人が、無邪気に駆けり、プールで泳ぎ、飛行機の玩具を取り合い、年齢にしては幼稚過ぎる遊戯に耽っていた。彼らは学校に行くでもなく、友達を呼ぶでもなく、永遠に続くかと思われる「家の中での時間」に身を委ねていた。  家から外出できるのは父親だけ。父親だけが仕事に行き、買い出しをし、「外」を連想させる品物のラベルを剥いでいる。父親と母親は子供たち3人を産まれてから1回も家の敷地外に出したことは無い。そして、自分たちでカセットテープに「外」に関係ある言葉を吹

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2011/07/10
    この映画の感想を書けることが羨ましい!僕何回トライしても書けない!ぐぬぬ。
  • 人は皆、繋がる事ができる……『THE HUMAN CENTIPEDE(ムカデ人間)』としてな! - 1953ColdSummer

    THE HUMAN CENTIPEDE (邦題『ムカデ人間』) THE HUMAN CENTIPEDE (FIRST SEQUENCE) 2011/オランダ・イギリス R15+ 監督:トム・シックス  今ではもう見る影も無いが、わたしが子供の折には、特撮番組で、漫画で、そして映画で登場した、様々な「◯◯人間」というクリーチャーが幼年誌などでたびたび特集され、またインチキくさい豆のたぐいでデッチ上げられ、とてもこわかった記憶がある。その「恐怖! ◯◯人間!」という文字が筆で殴り書きしたような斜体でこれがまたこわく、そして「◯◯人間」の「◯◯」の部分には、やたらおぞましい語句――ナメクジだとかキノコだとか――が当てられており、それら不快なものと人間を合成するという発想、技術、結果に幼少時のわたしは心底ブルっていたのである。夜ひとりでトイレにいけなくなり、しょうがないので窓を開けてそこから飛ば

  • 『SUPER 8/スーパーエイト』という名前の継ぎ目だらけの被造物。 - 1953ColdSummer

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  • 『スカイライン -征服-』を観たんだけど……そんなことよりも……。 - 1953ColdSummer

    スカイライン -征服- SKYLINE 2011/アメリカ PG12 監督:コリン・ストラウス グレッグ・ストラウス(ザ・ブラザーズ・ストラウス)   映画館に足繁く通っておれば、面白い映画や眠たい映画など、ちょっとした綺羅星のごとき作品群との多種多様な出会いがあるのであって、人によっては、鬼に会うては鬼を斬り、親に会うては親を斬る不退転の覚悟を持ってして、「劇場公開」という一期一会のイベントに臨んでおるのであり、やはり、そうした気迫を背負い、スクリーンにかかる映画を鑑賞したしかる後には万感の思いが胸に到来するものである。今日の晩飯何かなあ、等。  ところで、映画館での出会いとは何も映画作品のみに限定されるものではない。  チケット売り場の人、グッズ売り場の人、もぎりの人、レディースデイなので泣ける邦画観た帰りにシャレオツなカフェバーでカクテルでもキメちゃおうかしらという人、トイレで用を足

  • 『ジャーロ』このタイトルを冠したアルジェント爺のクソ度胸に乾杯。 - 1953ColdSummer

    ジャーロ GIALLO 2010/アメリカ・イタリア 監督:ダリオ・アルジェント   連続美女誘拐殺人事件。冒頭のオペラ座。フリーキーな殺人鬼。そしてご都合主義な話の転がり方。  と記号的に抜き出してみると、いつもの黒手袋こそ無いものの、100人中90人ほどが、はは、それはダリオ・アルジェントの映画のことだね、はは、と、苦笑いと共に答えることができるであろうと思う。ちなみに残り10人は、殺人鬼に監禁され目の前に刃物が迫ってきている状況なので「んがー!」「むぐー!」と絶叫するだけで答えることはできません。  さてイタリアはトリノで、外国人美女ばかりを狙った連続誘拐事件が勃発するわけですな。すわカバキの再来かっ、と身構えていると、性犯罪被害者どころか死体がゴロゴロと転がり出てきた上、モデルのセリーヌまでが犯人の毒牙にかかってしまいます。さあセリーヌの姉であるリンダは泣くわ怒るわ諸肌脱いで寿司桶

  • 混沌が支配する。『アンチクライスト』 - 1953ColdSummer

    アンチクライスト ANTICHRIST 2011/デンマーク・ドイツ・フランス・スウェーデン・イタリア・ポーランド R18+ 監督:ラース・フォン・トリアー  無宗教者、無神論者を気取ったり、悪魔主義に傾倒したりするという行為は中々に矛盾を孕んでいるものだ、というのはいちいち自分が指摘する間でもなく、無宗教者、無神論者を気取ったり、悪魔主義に傾倒したりしている人間自らが一番に自覚しているであろうと思われる。  というのも、砕いて言うと、無宗教や無神論は「在る」ことを前提とされているものを「無い」と言い張る論法のひとつであって、悪魔主義なんかも、裏を返せば神様を信じている証左に他ならず、片方を立てればもう片方も立ってしまう。このパラドキシカルな矛盾が反キリスト者たちの愉しみであり、克つべき主題でもある。  さて、『アンチクライスト』だが、これはその題名とは裏腹に、反キリスト思想を大々的にフィ

  • 『ブラック・スワン』その狂気は、両腕を漆黒の翼に変えて――。 - 1953ColdSummer

    ブラック・スワン BLACK SWAN 2011/アメリカ R15+ 監督:ダーレン・アロノフスキー 原案・脚:アンドレス・ハインツ 主演:ナタリー・ポートマン  執念、執着というものは何とも厄介なものであって、例えば、仏教などではワガに対する我執を克服することから第一歩が始まる、なんてことも言われるように、みみっちく小銭を皮算用したり、いま歩いてきた道を引き返して、落ちていた100円玉をやっぱり拾ったりすることは、とても卑しい行為とされ、と同時に、たかが100円玉に対するうぬのチンケな執着心を露呈したこととなり、周囲に人が居った場合などは、100円にみみっちく執着するとんだ道化として哂われかねんものなのである。おほっ、今あいつ落ちてる100円拾ったぜ、おほほっ。  だが、じゃあチンケでない執着とは何だ、100円ではなく万券狙えということか、よっしゃ一丁武装強盗でもこましたろか、タラちゃ

  • これは本当に人間が観ていいものなのか。『A Serbian Film』 - 1953ColdSummer

    A Serbian Film (日公開未定) 2010/セルビア R18+ 監督・主演:スルジャン・スパソイエビッチ   「この世には神も仏もないのか! おおジーザス!」といった、たいへん意味の分からない口上にももはや創作物上でしかお目にかかれぬようなご時世ではあるが、まあ結論から言うと、当然のようにこの世には神も仏も居らんのであって、ワインやパンを自分の血肉に見立てさせて信者に喰らわせる変態じみた伴天連の大将の存在なども、それこそ創作物上のものに過ぎんのである。  だが、まぁ、そうと頭で理解はしていても、やはり何らかの超常的な力、大いなる意思に身を委ね、救いを求めたいという気持ちも分からんではない。かくいう自分も給料日前にはよくそうなる。  ……って、それは大宇宙の法則を、都合良く自分の意図する方向へとねじ曲げんがためのワガママであって、普段から信仰の無い者が誰に助けてもらえるのか、ま

    namaniku_kero
    namaniku_kero 2011/05/11
    この映画の凄いところは、それでもしっかり「映画だ」というところですよね