大学の少人数のゼミナールで、死刑制度が議題にあがったことがあります。そのとき、先生が学生に対して「君たち、自分なら、被害者と加害者のどちらになったほうがマシだと思う?」と問いました。私はそのとき、「なんてナンセンスな質問なんだ」とムラムラ怒りがわいて、答えませんでした。その先生は、私が性暴力被害者の支援活動に関わっている*1ことも知っていました。それなのに、「君はどう思う?」と私を指名しました。自分がどういうふうな表情をしていたのかわかりません。睨んでいたのかもしれないし、無表情になっていたかもしれません。そのとき、私は「被害者になる残酷さ」をここで訴えるべきかどうか迷いました。それともあえて被害者支援の立場から、「加害者にもまた支援が必要なのだ」と言うべきかどうか迷いました。でも、結局どちらも選べずに沈黙してしまいました。先生は「どちらも悲惨で、できれば起きないほうがいいのだけれど、それ
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