今回のイランのデモは、単発的なもので、暗号化チャット・アプリ「テレグラム」などによって火に油が注がれた面もあるので、いずれ鎮静化する性質のものかも知れません。 しかしデモのニュアンスは(ちょっといつもと違うぞ)と感じさせるものがあります。 【最高指導者ハメネイ師退陣要求】 まず市民の第一の要求が最高指導者ハメネイ師の退陣を要求している点です。最高指導者に対する批判は不敬罪に相当し死刑になる犯罪であり、それを市民が平然と叫んでいるところから判断し、市民は政府を恐れていない様子が伝わってきます。 【米国傀儡政権時代へのノスタルジア】 第二にモハンマド・レザー・シャー・パーレビ皇帝に対するノスタルジアが出ている点です。レザー・シャーはイランの近代化、西欧化を推進した人としてなつかしがられています。 実際、1979年にイラン革命が起きる前は、テヘランは「ロスアンゼルス・イースト」という愛称が付けら