大変残念なことですが、連日、文部科学省の汚職問題がメディアを賑わせています。いくつもある汚職事件の中でもわたしがとくに気になっているのは、天下りの問題、それから利益供与と私的見返りの問題です。なぜなら、この二つに共通するのは、近年、教育政策/教育経済学分野で議論が進んでいる「競争的資金」が絡む問題だからです。 なぜ最近、競争的資金が話題になっているかというと、オバマ政権がこの競争的資金を活用して教育改革を強烈に推進したからです。米国の経験から考えても、競争的資金は汚職を引き起こしやすいのですが、そもそも競争的資金は教育政策においてどのような議論をされているのでしょうか? 今回は米国の経験から、日本の汚職事件と、国際教育協力への示唆を考えてみたいと思います。 (この節の話は、こちらの論文の前半部分で議論されているところがあるので、詳しくはぜひそちらを参照してみてください) オバマ政権は誕生直
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