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ブックマーク / note.com/econ101_ (3)

  • ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101

    その昔,まだ私が学部生だった冷戦末期に,政治哲学で最高に熱い事態が起きていた.それは,英語圏でのマルクス主義の力強い再興だ.その仕事の大半は,「分析マルクス主義」という旗の下で進められていた(別名「たわごと無用のマルクス主義」ともいう).その発端となったのは,ジェラルド・コーエン『カール・マルクスの歴史理論:その擁護』の出版だ(あと,同書出版後にコーエンがオックスフォード社会政治哲学のチェリ講座教授に就任したこと).一方,ドイツでは,ユルゲン・ハーバマースの素晴らしく小さくまとまった『後期資主義における正統化の問題』が出て〔1975年〕,マルクスによる資制のさまざまな危機の分析を現代のシステム理論の言語に翻案して新たな息吹を吹き込む期待が高まった.若い急進主義者にとっては,実に熱い時代だった.誇張抜きに,こう言ってもいい――当時,政治哲学に携わっていたきわめて聡明でとりわけ重要だった人

    ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101
  • ノア・スミス「新しい進歩派の経済学: 建設的な批判を少々」(2024年7月29日)|経済学101

    総需要不足に頼らない経済学への進歩的アプローチが必要だSource: Works Progress Administration「ネオリベラリズム」とこれを変えたがっているアメリカの進歩派たちについて,マット・イグレシアスが一連のとても興味を引く記事を書いている.最初の記事で,イグレシアスはこう論じている――ネオリベラル政策革命は,圧倒的で広範囲に及んだと多くの進歩派たちは考えているようだけれど,実際にはそれよりずっと限定されていた(イグレシアスの主張は正しい).2つ目の記事での主張はこういうものだ――アメリカの旧来の対中国貿易政策にあった最大の問題点は,国家安全保障を弱めることになった点だった(この点も正しい).このシリーズで次にくる記事も楽しみだ. ただ,「ネオリベラリズム」をどういう意味で使うべきか,そして,アメリカの昔の政策も「ネオリベラリズム」だったのかどうかについて論議するのも

    ノア・スミス「新しい進歩派の経済学: 建設的な批判を少々」(2024年7月29日)|経済学101
  • ノア・スミス「日本は通貨危機におちいってるの?」(2024年4月29日)|経済学101

    もしも日が通貨危機におちいったら,世界経済が土台から揺らいでもおかしくない.Photo by jun rong loo on Unsplashまだ,日の通貨は自由落下してはいない.でも,そうなるかもしれない.2021年から円は安くなってきているけれど,先月,その動きは加速した: 最新の為替相場では,円がさらに下げて,1ドル154円から160円にまで進んだ. この20年ほどのあいだ,日を訪れたときにはたいてい頭の中で「1円はだいたい1セントか,あとちょっぴり安いくらい」と考えておいて困らなかった.いまや,円はだいたい 0.63セントになってる.これはすごい値下がりっぷりだよね. 当然ながら,日の人たちはこの事態に動揺してる.もっともな反応だ.日は世界でも屈指の輸入依存国で,エネルギー供給の 90% 以上,料の 60% 以上を輸入している.円が安くなると,日の人たちはいきなり貧し

    ノア・スミス「日本は通貨危機におちいってるの?」(2024年4月29日)|経済学101
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