独特の世界観を持つ三木聡監督の最新作「インスタント沼」がテアトル新宿(東京都新宿区)などで公開中だ。仕事も恋も立ち行かなくなった主人公のハナメが、すべてを失ってからの道のりを、パワフルに描く。ハナメ役は、ドラマ「時効警察」でも三木監督とコンビを組んだ麻生久美子さん。彼女を見守るパンクロッカーを加瀬亮さんが演じ、うさん臭い骨とう屋の主人の父親を風間杜夫さんが怪演。松坂慶子さんがハナメの母親を可愛らしく演じている。三木監督は「受け取り方はお客さん次第。ハナメを見て、何か引っかかってくれたらうれしい」と語る。【上村恭子/フリーライター】 ◇麻生久美子が“手がかり”に 沈丁花ハナメは母親と二人暮らし。恋も仕事もうまくいかず、人生がジリ貧状態だ。すべてをやり直そうと思っていたら、カッパを探しに行った母親が池に落ちて意識不明に。ハナメは、行方不明の父を探すことを決意する……という冒険物語だ。 「全体と