ジェット推進研究所 (JPL) のキセノンイオンエンジン イオンエンジン (Ion engine) は、電気推進とよばれる方式を採用したロケットエンジンの一種で、マイクロ波を使って生成したプラズマ状イオンを静電場で加速・噴射することで推力を得る。イオン推進、イオンロケット、イオンスラスタなどともいう。最大推力は小さいが、比較的少ない燃料で長時間動作させられる特徴をもち、打ち上げられたあとの人工衛星や宇宙探査機の軌道制御に用いられることが多い。 以前は実証試験として搭載される例が多かったが、近年では、従来のヒドラジン系推進機に代わる標準装備となりつつある。比推力が化学ロケットよりも格段に高いため、静止衛星の長寿命化に貢献している。 正イオン源で推進剤を正イオン化して電界の中に放出すると、正の電荷をもつ正イオンは負電極に向かって加速運動を始める。このとき機体は正イオンが得た運動量の総和と同じ大