日本メーカーが自分たちで社内規格を作って製品をブラッシュアップしてきたことは、すばらしいことです。しかし、消費者からのクレームをどこまで製品に反映するのかどうかの目安(ゴール)がなくては、改良に次ぐ改良の連続でもゴールにたどり着けないので、メーカーやエンジニアは疲弊する一方です。 ――このままでは、製品を売ったら最後、メーカーはその製品が壊れて捨てられるまで、責任をもつことになってしまいます。このトレンドへの傾斜を防ぐ道筋として考えられることはどのようなことでしょうか? 中尾教授 欧州は規格でメーカーや市場を守ったわけです。では規格のない日本は、どうやって守ればいいのか、真剣に考えていかなくてはなりません。私は、問題を共有し、メーカーと消費者が議論する場をつくることが第一歩だと思います。 消費者庁の議論は、主に法律の専門家と消費者団体の代表で構成され、メーカーの人間がいません。私は消費者安