棋士・羽生善治へのインタビューである。取材時は第30期竜王戦の真っ最中だったが、本日、見事に史上初となる「永世7冠」を達成。天才と呼ばれ続けてきた男が、またひとつ伝説をつくった。そんな羽生氏に、その将棋の魅力についてだけでなく、自身の引退の時期について(!)、また老後観についても今の心境を語ってもらった。 文責/みんなの介護 大事なのは記憶力ではなく、正しく思い出す力 みんなの介護 一般的に棋士は、40代に入ったころから成績が落ち始め、50代前半で大きな壁にぶつかると言われているそうですね。しかし、40代後半に突入した羽生さんからは、少しも衰えを感じません。なぜでしょう? 羽生 棋士を続けていくには知力、体力ともに充実した状態でなければなりませんが、幸いなことに、体力についてはまだ衰えを感じたことがありません。将棋はスポーツのアスリートのように激しく身体を動かすことはありませんが、対局は長