通貨オプション市場で長期的にドル安・円高が進むとの見方が強まっている。日米の金融政策の転換点が近づき、歴史的な円安が反転する可能性が意識されている。 オプション市場で1年後に対円でドルを買う権利(コール)とドルを売る権利(プット)の需要の差を示すリスクリバーサルは先週、一時マイナス0.4台と3カ月ぶりの水準に低下した。これは円高を警戒したドル売り需要が相対的に強まっていることを示す。7月初めには日米の絶対金利差による円先安観から、ドル買い需要がドル売り需要を上回るプラス圏に迫っていた。 長期リスクリバーサルの低下は、日米の金融政策の方向性の違いが今後鮮明となり、金利差の縮小がドル安・円高圧力になるとの市場の見方を反映している。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月にも利下げサイクル入りが見込まれる一方、日本銀行は早ければ今週の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切る可能性がある。 三菱UFJモ