【前回までのあらすじ】 親の越後の大入道から貰った大切な目を、愛する毛女郎に与えてしまった今入道。それにつけこんだ丹波のヒヒは、養子の見越し入道が今入道から受けた恥辱の仕返しで、遊郭の化けの里から今入道を追い出したのでした。 ※国会図書館の画像を利用しています。 国立国会図書館デジタルコレクション - 大昔化物双紙 2巻 11ページ目です。 ①本文 【翻刻】 いまにうだう◆ひゝにあつかう◆さればけものゝ◆ くらゐをくるは◆よりおいさげ◆られし事を◆ おやのふる◆にうだう◆ひそかにきゝ◆ こゆへのやみに◆ゑちごのくにを◆ いでゝせがれが◆ありかをたづね◆ さまよひける◆おりから毛女◆ 郎はいまにう◆だうがあとを◆ したひくるはを◆かけおちして◆ ふたりしな◆んとかくごの◆ ところへふる◆にうだう◆ゆきあひ◆ ばけもの◆だけにこは◆ゐけんも◆よくきく 【現代語表記】 今入道、ヒヒに悪口され、化