久しぶりに劇場で観た映画ではありますけれど、幼なじみの関係をメインに据えた恋愛ものアニメ映画としてストレートに快作でした。 たまこの「もち蔵……大好き! どうぞ」の声がして、エンドロールが流れはじめた瞬間に「よくやった! よくやった!」と快哉をあげたくなってしまうような素晴らしい完成度。 この作品は『たまこまーけっと』というアニメ作品の続編的な映画ですが、前作の下地をこれでもかと上手く使って、その作品の雰囲気から乖離せずにしかしながら最大限の距離をとったラブストーリーをやってみせてくれています。 ひとによっては『たまこまーけっと』以上に好きと感じるひともいるでしょうし、自分もそのひとりです。このふたつの作品は完全な地続きのものでありつつも、描く中心に据えたものは全く別種のものになります。『たまこまーけっと』がたまこという人間を育んだ場所を描いたとすれば、『たまこラブストーリー』は、彼