筆者:佐藤 洋志氏 みずほ情報総研コンサルティング部マネジャー。ITコーディネータ。企業内の情報共有や情報活用のあり方を中心に,戦略策定などのコンサルティングを展開中。 経営や実業の世界では,2005年にフランスの欧州経営大学院(INSEAD)教授のW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏により発表された著書「ブルー・オーシャン戦略」が一つのブームになった。同じパイ(市場)を奪い合い血みどろの競争を行う「レッド・オーシャン」(赤い海)に対して,顧客へ新たな付加価値を提供し,既存製品との競争を無意味なものとする「ブルー・オーシャン」(青い海)を目指すべきだというのがその趣旨である。 この書が大きな話題となったのは,主張の明確さや分かりやすさ,事例の豊富さ(例えば,既存の理髪店市場に対して15分で散髪する「QBハウス」などが挙げられた)に加えて,実践的な分析や発想転換のためのツールが提供されたた