「猫つきマンション」と聞くと、どんなイメージを抱くだろうか。「猫憑き」ならば、何かオドロオドロしいものを感じる。だが安心してほしい。この場合の「猫つき」とは、保護猫を預かって一緒に暮らすことのできる賃貸物件のことだ。殺処分される運命にあった猫は安住の地を得、居住者は心置きなく猫と暮らせる。そして、大家さんは物件のPR効果を喜ぶ。この新たな「一石三鳥」の保護システムが、注目されている。 おそらく世界でも例がないシステムを作ったのは、NPO法人『東京キャットガーディアン』の山本葉子代表だ。運営する「大塚シェルター」(東京都豊島区)を訪ね、その狙いや現状を聞いた。 「大塚シェルター」には、保健所(最近は「動物愛護センター」という名称も使われる)などから保護した猫が常時70頭前後暮らしている。「開放型シェルター」と呼ばれる新しいスタイルの保護施設で、譲渡会場、猫カフェ、チャリティグッズの販売所を兼