私たちが空き家問題で想像していたことは、賃貸でいうと空室が多くて賃貸住宅経営が立ち行かないという問題であり、持ち家でいうと放置されて廃墟化しつつあり異臭を放つような空き家の問題ではないだろうか。 しかし、この空き家の基となる5年おきに行われる「住宅・土地統計調査」の空き家の定義はその想像とは異なっている。入居者が募集されている賃貸住宅、売りに出されている住宅、通常は住んでいない別荘が含まれているのだ。国土交通省の「令和元年空き家所有者実態調査」によると、それらは43%(二次的住宅・別荘用25.8%、貸家用4.4%、売却用12.8%)もある。つまり、何らかの形で利用されている住宅で、それほど問題視する対象ではない。 実家が「トランクルーム化」しているケースも多い それ以外で最も多いのは、物置として利用しているケースで23%。建て替え・取り壊し予定や、転勤で長期不在なども入れると、何も利用され
