かつて「加賀百万石」とうたわれた石川県。初代・前田利家を筆頭に14代続いた加賀藩主は、徳川将軍家との結びつきを深めることで、「百万石」の大藩を維持してきた。そして、その“あとをつぐ”石川県知事も、2代・半世紀以上にわたって、前田氏に匹敵する盤石な体制を築いてきた。この地で何が起きているのか? (金沢放送局 中西大記者/甲府放送局 浅井遼記者/政治部 安藤和馬記者) 3月11日に行われた石川県知事選挙。現職の谷本正憲氏(72)は、自民・公明両党や民進党などの支援を受ける「オール与党態勢」、与野党相乗りで組織戦を展開し、共産党推薦の新人候補におよそ4倍の差をつけ、7回目の当選を果たした。 初当選した平成6年の選挙こそ接戦だったものの、2回目以降は、いずれも3分の2を超える得票率で「圧勝」を重ねてきた。 谷本氏は旧自治省に入り、のちに石川県の副知事として、ときの中西陽一知事に仕え、その中西知事の