1.公正な世界を求める人ほど弱者や被害者を責める 2.被害者叩き、弱者叩きの典型 3.本当に人は公正な世界を望むのか? 4. 公正世界仮説(公正世界信念)のやっかいさ 1.公正な世界を求める人ほど弱者や被害者を責める 弱者や被害者は救済されるべきかという問いを立てるなら、善意を持った多くの人がそうあるのが望ましいと答えるだろう。 議論となるのは、それがどのような方法によってなされるべきか、どのような人間が弱者・被害者と言えるのかという部分だろう。 しかし、現代社会では何かの事件の被害者を責める被害者叩きや社会的弱者を責める弱者叩きが後を絶たない。 被害者叩きや弱者叩きに対して「思いやりがない」とか「冷酷だ」という批判がされる事がある。 しかしそれは果たして有効な批判なのだろうか。私は疑問を感じる。 現代における被害者・弱者救済についての議論は、単純な悪意と善意の対立構図ではないのではないか