2011年の自殺状況(確定値)の分析結果が3月9日に公表された。 自殺者数は14年連続で3万人を超えた。 自殺者が右肩上がりに増えたと主張し、日本は自殺大国だとか、経済の不振のためだとか、格差社会の犠牲者だとかうんぬん、そういったことを語る書籍や知識人は多い。 「うつ」に関する本でも、自殺者の増加と絡めて社会問題やうつの話に結びつけるモノがいくつもある。 だが、冨高辰一郎『うつ病の常識はほんとうか』はそれとは全く異なる事実を組み上げる。 『うつ病の常識はほんとうか』は、うつ病にまつわる様々な定説について検証を行った本だ。 1章 なぜ自殺者は3万人を超えているのか 2章 ストレスは増えているのか 3章 どんな性格の人がうつ病になりやすいか 4章 うつ病の診断基準とは 5章 薬の適切な用量はどうやって決めるのか 自殺者のデータを検証する第1章。まず1900年から2006年までの日本の自殺者数の