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ブックマーク / note.com/anjyu_official (2)

  • 書籍レビュー☆1で酷評されて自殺を踏みとどまった作家の話|青木杏樹|note

    わたしは昔から他人の顔色をうかがって生きてきました。 いつも強い子だと言われ、どんなにつらい目にあっても泣かないでえらいと言われ、相手が求める期待通りの子を演じることで、生きている実感を得ていました。幼い頃、家族にさからったことは一度もありません。反抗期もありませんでした。けれど周りから「期待に応える良い子」だと言われるたびに、心がきしんでいく感覚を覚え、それが苦しいという感情だと気づくのに何十年もかかりました。 その性格が理由で、会社をクビになったことがあります。 独立系の小さな会社でした。社長とその奥様が中心となって、わたしの他に営業二名・事務一名の社員がいました。わたしはその中間に当たる営業事務職でしたが、社長がキミには採用人事もやってほしいと言いだして、わたしは前向きにそれを受けることにしました。優秀な人材を採用し、ゆくゆくは会社を大きくしたいという社長の期待に応えたかったのです。

    書籍レビュー☆1で酷評されて自殺を踏みとどまった作家の話|青木杏樹|note
  • 文房具屋のおじいさん|青木杏樹

    2015年の春のこと。 わたしはまだ青木杏樹ではなく、ただ趣味小説を書いている人でした。毎日毎日、400字詰め原稿用紙を20枚ワンセットを消費しては、文房具屋に買いに行きました。帰宅するとまた明け方まで20枚消費し、日が高くなる頃には買い足しに行く日々が続きました。 小説とは応募するもの、小説とは他人に読んでもらうもの、という考えがわたしにはありませんでした。 わたしの中には小さな世界がごまんとあり、その世界で生きている人たちはたえず呼吸をしていて、畑を耕し、水を飲み、作物を売ったり買ったりしていました。ときには殺し合って世界は消えてしまうこともありました。そうした流動する世界線がいくつも走り、絡み、まじり、繰り返す、衝動にも近い意識と妄想がするすると動くものですから、歴史をつむぐように彼らの証をのちのちまで残せないものかと考えたのがどうもわたしの執筆の原点のようです。つまり応募する、評

    文房具屋のおじいさん|青木杏樹
    natu3kan
    natu3kan 2020/08/15
    人って肩書きと感情移入に弱いよなとつくづく。路傍の石みたいなモブの他人であっても、その人生の一部を美しい筆致で書けば、ありふれたモノでも特別に異化されてしまうし、人はそういう日常や他人の異化を求める。
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