皆さん、こんにちは。 先週8月13日付で海外向けwebメディア「Nippon.com」に寄稿した記事を、同社了解のもと公開します。翌14日に岸田首相が退任の意向を表明し、植田総裁も近く閉会中審査に出席するため、「政策検証」としてはまだ未完成ですが、とりあえず13日時点の中間報告として読んで頂ければと思っています。また文末に今回の首相退任に関する「補遺」を加えました。 植田日銀総裁と「デジャヴュ」 最初の一歩でつまずいた利上げ作戦 8月5日、歴史的な株式の「瞬間暴落(フラッシュ・クラッシュ)」が東京市場で起きた。下落幅は1987年秋のブラックマンデーを超える4451円28銭(12・40%安)。下げ止まる気配を見せない緑一色の株価スクリーンを眺めながら、日本銀行総裁の植田和男は不快な「デジャヴュ(既視感)」に襲われたことだろう。これまでも日銀は株価の急変動に翻弄さ続けてきた。なぜ同じ“惨劇”が