高齢者の住宅問題なんて、自分には関係ないと考えている人は少なくないだろう。だが、この問題が解消されなければ困るのは現在の20~40代である。住宅・土地統計調査を見ると、住宅を取得している人は、1970年代には25~29歳で3割弱、30代で半数以上、40代では7割いたが、2013年になると25~29歳で1割強、30代で4割弱、40代で6割弱に減っている。 この背景には、結婚年齢の上昇や、それに伴う第1子出産年齢の上昇などで住宅を取得する年齢が上がっていることに加え、住宅価格の高騰や年収の伸び悩みなどさまざまな要因が考えられる。いずれにしても住宅を買う気にならない人、買える状態にない人が増えているのである。 子どもと住んでいる高齢者は約4割に低下 一方、2014年の国税庁民間給与実態調査結果を見ると、年収が増えるのは50代前半まで。つまり、30代で30年、35年にも及ぶ住宅ローンを組むと、年収