平尾台の東端、苅田町山口に青龍窟(せい・りゅう・くつ)という洞窟がある。白山多賀神社(等覚寺)から、曲がりくねった山道を2キロほど行くと、カルスト台地特有の岩が羊のように見える羊群原が広がる。その中にぽっかりと大きな穴が開いている。これが青龍窟で、1962(昭和37)年、国の天然記念物に指定された。 石灰石が雨水で溶けて洞穴になったといわれる鍾乳洞。平尾台には約200の洞窟があるが、青龍窟は長さや規模が最も大きい。千仏、牡鹿、目白の三つの鍾乳洞は有料の観光洞だが、青龍窟は観光化されていないので中は真っ暗。危険なので、洞窟探検に詳しい人の案内が必要だ。 平尾台ボランティアガイドの白川正樹さん(63)に青龍窟を案内してもらった。窟の入り口は標高400メートル。京都平野や豊前海が一望に見渡せる。藩政時代、小倉藩主が藩内を見回る時、ここから見渡し、旅程を決めたと言われる。 窟に入ると天井の高