全10回でお送りする、ジャーナリスト・上杉隆氏、作家/経済ジャーナリスト・相場英雄氏、ノンフィクションライター・窪田順生氏の鼎談連載9回目。購読部数や広告費の減少などにより、新聞社に“逆風”が吹き荒れている。激変する環境の中で、一体どこの新聞社が生き残っていくのだろうか。この問題について、3人が語り合った。 相場:通信社での仕事は一瞬で記事をまとめる――いわば職人技が求められます。「このネタはダメだ」と判断したときには、速報を流しません。しかし最近はネットの発達によって、各社の速報競争に拍車がかかってきた。これは複数の現役記者から聞いた話なのですが、記事にするか判断に迷っていると、上司から「書いてしまえ!」と命令が飛んでくるそうです。昔だったら、確実に書かなかったことでも、最近では突っ走る傾向があるようですね。 上杉:通信社の仕事というのは、それなりの職業訓練が必要になってきますよね。新聞