ウクライナの首都キーウ(キエフ)で、呼び出された番地に行くと背の高い雑居ビルがあった。迷彩服をまとった男たちが大型ワゴン車から大量のペットボトルの飲料水や缶詰を運び出している。ここでいいのだろうかとじろじろ見ていると、自動小銃を携えた男が聞き慣れない言語で怒鳴り付けてくる。自分のことを説明した。「マムカに会いに来たんだ。約束がある」 男は英語を解さないようだが、マムカという名前に反応した。駆け寄ってきた仲間と相談後、こっちに来いとビルの中に手招きされた。建物に近づくと、とても企業や商店が入居しているように見えない。ロビーには雑然と段ボールやごみ、小石が転がり、小銃を手にした男たちが遠慮のない視線を浴びせてくる。 ビルの奥に入ると、昼間なのに真っ暗だ。電気をつけていない。先導する男に従って、おそるおそる暗闇の階段を上った。たどり着いたフロアも暗い。目をこらすとベッドが並び、複数の男が腰かけて
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