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ブックマーク / 12kai.com (3)

  • 「いだてん」周回遅れその5:彼岸過迄 – comics and songs

    美川は寄宿舎で、消沈したようにを抱いている。があんまり大きいので、美川の方が小さな動物のように見える。 明治44年11月のこの時期、漱石は未だ創作の空白期にあった。 明治43年夏、療養先の修善寺で、漱石は突如大量喀血し、生死の境をさまよった。いわゆる「修善寺の大患」だ。ようやく回復し東京に戻ったものの、その後は大患前後のことを書いた「思い出す事など」を除いてほとんど執筆活動を行っていない。「三四郎」以降、「永日小品」「それから」「門」と、わずか二年の間に次々と名作を生み出してきたあとの一年数ヶ月にわたる沈黙は、愛読者にとっては信じられないほどの長さだっただろう。 翌明治45年の新年、ようやく漱石の新連載が朝日新聞で始まる。 「長い間抑えられたものが伸びる時の楽(たのしみ)よりは、背中に背負された義務を片づける時機が来たという意味でまず何よりも嬉しかった。けれども長い間抛り出しておいたこ

    「いだてん」周回遅れその5:彼岸過迄 – comics and songs
  • Twitterさん、さようなら – comics and songs

    かつて、1980年代末から続いていたパソコン通信のひとつ、NIFTY-Serveが1990年代後半に終焉したころ、そこにあったさまざまなフォーラムの膨大な過去ログは一切なくなった。それには、よいことも悪いこともある。よいことは、ほじくり返されるべき過去が消えてくれたことで、悪いことは、考えるべき過去が消えたことだった。わたしはあわてて自分の書いた文章をテキスト・ファイルに収めたけれど、実際のところ、それは古いフロッピーディスクに入ったまま今まで見返されることもなく、もしかしたらこのままずっと見ないで済んでしまうかもしれない。もう誰にも読まれずに済んでほっとしているものも、正直ある。 ただ、そのとき、ネットワークの運営側というのは、あれだけ大量の時間を費やして人々がテキストを交わした場を、あっけなく無くしてしまうことがあるのだなという認識は持った。交わされたテキストは文脈の中で初めてある意味

    Twitterさん、さようなら – comics and songs
    navix
    navix 2017/09/21
    「わたしがもうこれは潮時だなと思ったのは、菅野完さんのアカウントが永久凍結されたという話を知ったときだった」
  • 「この世界の片隅に」Blu-ray版を観る – comics and songs

    仕事場に届くようにしていたので、発売日から少し遅れていまごろ見ている「この世界の片隅に」Blu-ray版。まず14分のメイキングディスクから見始めたのだが、この14分で泣かされるとは思わなかった。 編について。画面の大きさ、誰かと見ることがもたらす感覚、離れたスピーカーから鳴る音など、劇場には劇場の、固有の体験があって、それと自室のモニターで見る体験は比べるべくもない。 とは言え、間近なスピーカーから鳴る音は、音量は小さいものの細部がよく響き、これはこれで楽しい。たとえばすずの婚礼のあと、父母が帰り際に重ねるように声をかけるところで、劇場では二人の言っている内容をはっきり聞き分けるのは難しかったけれど、自室ではそれが分離して聞こえるのでちょっと驚いた。他にも、こんなところでこんな音がと、今まで気づかなかった音に気づかされた。 画角が劇場より小さいせいか、全体から来る印象が少し違う。たとえ

    「この世界の片隅に」Blu-ray版を観る – comics and songs
    navix
    navix 2017/09/19
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