今夏、ドイツ連邦公文書館が一風変わった資料をツイッターで公開した。旧東独の国家保安省(シュタージ)が88年にスイス製の2つのゲームの輸入を禁止したという内容だ。 1988年に旧東独国家保安省が出した禁止命令 StasiUnterlagenArchiv 問題となったのは、スイスの小出版社ファタ・モルガナ・シュピーレが制作したボードゲーム「クレムリン」とそのAtari ST用コンピュータ版だ。「これらのゲームの内容は反ソ連的であり、東独の利益に反する」のがその理由だという。 ゲームの制作者ウルス・ホシュテットラーさん(73)は、今も現役で活動する。ムルテン湖畔にある夏季の別荘を訪ね、このゲームが保安省の目に留まるまでになったいきさつを聞いた。 ホシュテットラーさんは大学で数学を学び、その後、音楽家、作家、芸術家として多分野で精力的に活動してきた。70年代、スイスでまだ珍しかった大規模な野外コン