20年夏季五輪の招致レースは、東京を含む6都市の争い。2大会連続の立候補である東京は、「前回計画をたたき台にすればいい」(都幹部)としているものの、東日本大震災や福島第1原発事故の影響で、新たな課題も浮上している。【柳澤一男】 各立候補都市は、来年2月までに開催計画の概要を記載した「申請ファイル」を国際オリンピック委員会(IOC)に提出しなければならない。大きな課題の一つが、大会を象徴するメーンスタジアムをどこにするか。08年の北京大会では、外観から「鳥の巣」と呼ばれた国家体育場が経済発展ぶりを世界に印象付けた。04年アテネ大会の「アテネ・オリンピックスタジアム」での開会式では、古代ギリシャを再現したパフォーマンスが「聖地回帰」をアピールした。 東京は前回立候補した際、1000億円で中央区晴海の埋め立て地に新設することにしていた。だが今回は「五輪のために莫大(ばくだい)な経費で新設すること