■「××離れ」とは真逆の若者の存在感が増している 日本は格差社会です。そう言っても、同意する人は少ないかもしれません。たしかに1990年代後半に出てきた「格差社会」という言葉は、最近あまり聞かなくなりました。しかし、SMBCコンシューマーファイナンスの調査によると、30~40代の23%が「貯蓄0円」だといいます。格差は存在します。ただ、見えづらくなっているのです。 2013年10月、私は『さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち』(KADOKAWA)という著書で、不況下の日本しか知らないため消費意欲に乏しい若者を「さとり世代」と名付けました。実際、「若者のクルマ離れ」「お酒離れ」「海外旅行離れ」など、ここ数年「若年消費が減退している」とよく聞かれます。 しかし現在、景気は回復基調にあります。若者の就職率は年々アップして、2018年の有効求人倍率は1.61倍。これはバブル期のピークであ