第1回 展覧会という作法を乗り切るために(3) 土屋さんの第1信はこちら|往復書簡 田中功起 目次 土屋誠一さま お返事ありがとうございます。 ははは、そうですね、そもそもネット上ではプライベートなサイトとパブリックなものの差がないので「公開」の特権性がない。手紙というプライベートな営みだったものを、いわば無理矢理パブリックなものとして書籍化したからこそ「公開」される意味があった。はじめから「公開」を前提として交わされた疑似プライベート書簡っていうのはたしかにわざとらしい。もっともです。でもこのセミ・プライベート、セミ・パブリックな感じが、ちょうど良い距離感(単なる通常のメールのやりとりではないかすかな緊張感)をお互いに生み出すんじゃないかっていうのが、まあ、ぼくの意図するところです。 もう1点、ネット上では過去の記事がたいがいは残っているためしばらくたっても読むことができる。たとえばぼく