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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (9)

  • 数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」

    岩波文庫で撃沈したが、書から攻めたらすんなり入れた。数式を使わずアナロジーを用いることで、不完全性定理のイメージを上手く伝えている。同時にゲーデルの生涯を追いながら、不完全性定理の哲学的帰結までたどっている。 哲学的帰結は以下のとおり。 全数学を論理学に還元することは不可能である 全数学を公理化することも不可能である この完全な理解にはほど遠いものの、感覚的に分かった。おかげで、あれほど確固なものだった「数学」が、実は「信念」を積み重ねた楼閣に見えてしようがない。わたしは、「数」を信じるように、不完全性定理を信じる。 ■01 受験数学の呪い 「要するにどういうことか」は、理解をすッ飛ばして記憶した。数学は暗記科目――受験数学の呪いは骨の髄まで浸透している。公理と定理を暗記して、adaption パターンを習得するのが「数学」だと思い込んでいた。 そこには、自ら定理を導出する喜びや、新たな

    数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」
  • 「無限のスーパーレッスン」に酩酊する

    ゲーデル入門のつもりで読んだが、「数」の恐ろしさを思い知ると同時に、確かだと思い込んでたリアルがゆらぐ。急に足元が消えたような感覚にとらわれる。そのへんのミステリよりも背すじが寒くなる。 8章まで面白く読める。聞き手の「おっさん」が程よく分かっていないので、絶妙の質問をしてくる。まるでわたしの代わりのようだ。おかげで、「わからない」から「わかる」快感をたっぷり味わう。 興味深いのは、「わかった」とするときの居心地悪さ。アタマでは分かっても、腹に落ちない「だまされているような感覚」がつきまとう。例えば、 「1= 0.999…」について、ありがちな説明として、 1 = 1 両辺を3で割る。左辺は分数、右辺は小数で表現すると、 1/3 = 0.333… 両辺に3をかけると、 1 = 0.999… 聞き手の「おっさん」は、これがうさんくさい、という。 つまり、0.99999999999999999

    「無限のスーパーレッスン」に酩酊する
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由

    最近の若者は、を読まない。ネットやケータイに毒されており、まともな文章を読む能力に劣るのが、イマドキの若者だそうな。そのため、文を書く能力も、相手の話を理解する能力も、ひいてはコミュニケーションそのものが著しく劣っている。このままでは日が亡ぶ ―― って、ホント? しかもこの説、かなり昔からもてはやされている。「最近の若者は…」といいだすオヤヂ連中が「最近の若者」だったころも、この言説はマスゴミ紙面の埋め草となっていた。 昔から語り継がれるこの命題について、調べてみた。 結論からいうと真逆で、最近の若者ほどを読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方がは読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方がを読んでいる。 その根拠は、読書世論調査。毎日新聞社が1947年から行っている調査で、全国の16歳以上の男女を対象とした「読書世論調査」と、小・

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由
    negaton
    negaton 2007/06/28
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき5冊

    上長から「来週からコンサルタントとして○○社に入ってくれ」なんて言われたときに、あわてないための5冊。以下の条件全部にあてはまる人のための選書なので、関係ない方はスルーしてくだされ。シリーズ化しつつあるエントリ( [その1]、[その2] )だが、ここらでまとめ。 システム開発チームのメンバーまたはリーダー 顧客の御用聞きを「コンサルティング」だと思っている ←これ誤り McKinsey や accenture といった「ファーム」と一緒に、顧客の中に入って仕事しなければならなくなった これまで、即効性と実用性で4冊レビューしてきたが、このたび5冊目として扱いたいガイドを見つけた(4冊目)のでまとめてご紹介。 ■最初に結論 コンサル会社がやっている「コンサルティング」は、決まりきった手順や方法を粛々と実行しているに過ぎない。目標に対して泥臭いぐらい愚直に反応する。そうしたメソッドと沢山持って

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 実践しなきゃ、意味がない「アイディアのつくり方」

    自分への戒めとして書く。優れた方法は、マネして→習慣化→血肉化してこそ意味がある。付せん貼ってブックマークして終わりなら、読まなかったことと同義。「いま」「すぐ」動かなければ、タタミの水練以下。JUST DO IT 「一時間で読めて一生役立つアイディアの作り方」という惹句どおり、確かにシンプルで強力な方法だ。しかし、こいつを愚直に実践していくことはかなりの努力を要する。そのエッセンスはこうだ―― アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない アイディアの作成は、車の製造工程と同じように、一定の流れ作業の過程であり、習得したり制御したりできる操作技術によってはたらく←「技術」なんだから鍛錬によって身につくことがポイント 既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい アイディアの作成は、次の五つの段階を経る。どれも飛ば

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    negaton
    negaton 2007/04/24
    そういやR25でも紹介されてたな…
  • 「ブラッド・ミュージック」はスゴ本

    わたしが知らないスゴは、魚蹴さんが読んでいた。あまりベタ誉めしない魚蹴さんが力強く推している[参照]のに惹かれて読了→参った、スゴい、まさかそこまで突き抜けるとは。amazonレビューはこんなカンジ… 遺伝子工学の天才ヴァージル・ウラムが、自分の白血球から作りだした“バイオロジックス”──ついに全コンピュータ業界が切望する生体素子が誕生したのだ。だが、禁止されている哺乳類の遺伝子実験に手を染めたかどで、会社から実験の中止を命じられたウラムは、みずから創造した“知性ある細胞”への愛着を捨てきれず、ひそかにそれを研究所から持ちだしてしまった… どこかで訊いたことがあるイントロ、予想通りに登場人物が動いてくれ、そしてバイオハザードな展開になるんだけど、なるんだけど、なるんだけど── っ ソコまで往くのかよ!と叫びだしたくなる(まだ半分もあるのに)。そして残り半分、実にイロイロな作品の原型を見た

    「ブラッド・ミュージック」はスゴ本
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ホンモノのエンジニアを見ろ!

    読むと咆哮したくなる「我らクレイジー☆エンジニア主義」、(ogijunの)あとで書く日記にて「すごい。読むと泣く。すぐ買え」[参照]とのことなので、読む… … →うっひょー!読むとアドレナリンが出てくるスゴだぁッ、ちうわけで痛勤電車内でエンジン全開になり咆哮したくて身もだえ→激しく挙動不審だな(笑 同時に「ニッポンのエンジニア」について、いかに狭い認識しか抱いていなかったかを思い知る。さらに、技術ではなく、人がスゴいんだ、という単純な結論に至る。スゴい技術はスゴい人から生みだされる。日経で賑々しく紹介される最新技術ではなく、そいつを生み出す技術者自身に焦点を当てたTech総研の企画勝ちだね。 会社が求める結果を淡々と「製造」しているわたしにとって、好きなことだけに人生を捧げている連中の言葉は、ズギュンと刺さってくる。例えばこうだ――

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    negaton
    negaton 2007/03/13
  • 郵政民営化のシステム開発は、デスマーチになっているのではないか?

    プロジェクトの火消し屋を長年やっていると、キナ臭い匂いを感じ取れるようになる。郵政解散までやって耳目を集めた「郵政民営化プロジェクト」、中の人はとってもデスマーチだと勝手に忖度して、合掌、礼拝、南無~。 先週、日郵政公社は、かなり重要な決定を下した。 つまりこうだ―― 「2007.10.1の民営化スタートまでに、システム開発が間に合わないと判断された場合、閣議決定を経て民営化を半年延期する」―― 郵政民営化法には、こんな特例条項がある。社会的に巨大なインパクトを持つプロジェクトだから、GO/NOGOは法律+閣議決定を要する。 しかしだ、1末時点での開発状況を分析した結果、「一部のシステム開発に遅れがあるものの計画の日程には十分間に合うと判断し、この条項を適用しないことを決めた」という。郵政公社の生田総裁によると、「開発はおおむね順調で、民営化の工程が押されるものではない」(※1)。要する

    郵政民営化のシステム開発は、デスマーチになっているのではないか?
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 日本のプログラマは、世界一優秀である

    じゃ、なぜ優秀なプログラマがいる日のソフトウェアビジネスがパッとしないの? 答:それは品質重視の工場型モデルを(相も変わらず)採用しているからにほかならない。「良いものを作れば売れる」主義を信奉するあまり、ビジネスの質から離れてしまっているから。 例えば、欧州企業にとってソフトウェアは「科学」として扱われる。コンピュータサイエンスとしての「ソフトウェア・ビジネス」であるがゆえに、形式的手法やオブジェクト指向分析・設計手法が重視される。また、米国企業にとってソフトウェアは「ビジネス」そのものとして扱われる。会社をつくって「まぁまぁ良質」の製品を作り、業界標準を打ち立て、その過程で大儲けしようとたくらむ。 しかし、日企業にとってソフトウェアとは「工場出荷製品」そのもの。文字通り「ソフトウェア・ファクトリー」を目指している。標準化された設計開発工程に則り、仕様からほとんどブレない製品を粛々

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