石丸次郎氏・中央。「北朝鮮では韓流ドラマがブーム。取り締まるはずの警察官でさえ見たくて仕方がない」と力説した。(1日、日本外国特派員協会。写真:筆者撮影) 世界一の情報鎖国、北朝鮮の現地映像を世界に伝え続けているジャーナリストがいる。アジアプレス・インターナショナルの石丸次郎氏だ。石丸氏は1日、日本外国特派員協会で北朝鮮情勢に関する講演を行った。以下、氏の話を要約する―― 朝鮮半島取材を四半世紀に渡り続けている私は1995年、97年、98年と3度、北朝鮮に入った。95年、地方ではすでに大量の餓死者が出始めていた。だが私が滞在していた平壌では食糧不足の兆候は全く見られなかった。 行きたい所に行けず、見たいものは見られない。行きたくない所に連れて行かれ、見たくないものを見せられるのが北朝鮮だ。 97年と98年は、北朝鮮が世界に食糧援助を求めた直後に入国した。地方に滞在していた私はガリガリに痩せ