採取のためのコケは、乾燥したものでも生き生きした苔でも採取できる。文献には「どこでもいる」と書かれているがそうともいえない場合があり,クマムシが全く採集されないエリアもあることから、コロニーがあると考えてもよいかもしれない。 コケからの採集を行う時、必ずしもベールマン装置を使う必要はない。シャーレにコケをいれ、水を加えて1~2時間程度放置し、コケなどの塊を取り除いて実体顕微鏡で観察を行うこともできる。またクマムシのみでなく多くの生物も同時に採集・観察できる。クマムシは水中ではゴミ等に絡まった状態でいることがあるので、まず実体顕微鏡で観察をおこない、できるだけクマムシを単体で取り出すことが、その後の観察を有利に進めることとなる。顕微鏡は低倍率から観察する。 寒天培地を使用すると,樽(タン)状態の移行・復帰を緩やかに進めることができる。以前はホールスライドグラスにクマムシを入れカバーガラスをか