イスラム教やキリスト教、ユダヤ教などの一神教と、日本の神道などの多神教。互いに理解しあうことは可能なのでしょうか。日本では珍しい女性の中東研究家として活躍する岩永尚子先生が、ご自身のアメリカ留学体験をもとに解説します。 イスラム教の創始者であるムハンマドが布教を開始する以前は、中東のおもな宗教は多神教であったといわれています。そのため、現在のイスラム教の聖地であるカーバ神殿にも、かつては多神教の神々の聖像が多数祭られていたそうです。 ですが、イスラム教では偶像崇拝は忌むべきものとされ、1日5回とされる礼拝は「神は偉大である。アッラー以外に神はない」という言葉で始められます。このイスラム教の布教によって、こうした多神教の神々の聖像は破壊されたといわれています。 では、そんなイスラム教徒が多神教、神道や仏教などを理解できるのかという問題ですが、おそらく一般のイスラム教徒には理解できないと思いま