「直接税(直税)、間接税(間税)という分類は、租税の分類の中で最も古く、財政学のいまだ存在しない時代に現れ、租税体系のいまだ構成されない時代にその起源を有し、その後も財政学において論争されてきた。しかし、従来の説明をもってしては、矛盾と不明確な点があるにもかかわらず、実際を支配し、慣用されている。」――― 高木勝一(編著)『租税論』、八千代出版(2011年)、10~11ページこのノートでは、「間接税」というものは現実には存在せず、そう見えているだけのものだと説明します。そう伝えたい理由は、この30年日本で起きてきた賃金低下の最大の原因として消費税を疑う必要がある、と言いたいからです。 賃金低下の直接的な原因として消費税が疑われることはほぼ皆無です。しかし消費税が直接税なら(というか、直接税だから)企業は人件費を削ることで節税できます。ならば消費税と賃金低下が無関係とは言えないでしょう。 そ