奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中の妊婦が19の病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題で、遺族が町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟で、被告の大淀町側の代理人が事実と異なる経緯を準備書面に記載していたことがわかった。 誰でも書き込みができるインターネット上の百科事典「ウィキペディア」からそのまま引用していた。今後、大阪地裁に上申書を提出し、この部分を訂正するという。 長男の出産後に脳内出血で亡くなった高崎実香さん(当時32)の夫で原告の晋輔さん(27)が、大阪地裁で21日にあった陳述で明らかにした。 被告側の第7準備書面は訴訟に至る経緯を「07年2月に検察が立件を断念すると、検察審査会に不服申し立てをし、不起訴不当議決を得て検察が再捜査を始める中で、当初民事訴訟はしないと言っていた原告らは07年5月に本訴を提起した」とした。 しかし、立件を断念