日本がベルギーに敗れた翌日。朝7時過ぎにブルージュを出発する列車に飛び乗り、昼頃にドイツ・マインツに下り立った。 まだまだ、頭の中には前夜の試合がこびりついている。その熱が冷めない内に、ある選手に会いに来た。 午前中の練習を終えると、武藤嘉紀が街中にやってきた。笑顔だった。今回、日本代表から選外になったことについて、本音はどう思っているのか。この時はまだ、何か装っている態度なのかもしれないと感じた。 ドイツ移籍後、武藤は3度の大ケガを経験した。それによって武藤は常連だった日本代表からも長らく外れた。そして復帰を果たして以降もベンチ外を経験し、今回の欧州遠征で再び招集外となった。 かつてほど攻撃陣において序列の高い存在ではない。それが、世間での武藤評だろう。 以前よりも日陰の道を歩く日々。ただ、地道に自分と向き合っている。 専属トレーナーを呼び寄せ、徹底的に肉体を管理。 今年2月から専属トレ