クマによる人身被害が発生した住宅地を巡回するパトカー(1日、秋田市添川で)=山路草太撮影 秋田市添川の民家敷地内で10月31日午後8時頃、住人の派遣社員男性(46)がクマに襲われ、両目を失明するなどの重傷を負った。現場はJR秋田駅の北東約4キロの住宅地。住民らは「こんなことはなかったのに……」と経験したことのない恐怖に顔をこわばらせた。今年に入り、県内でのクマによる人身被害は13件目で、秋田市内では初。人間の生活圏でのクマの出没が常態化していることへの危機感が高まる中、県や県警などは1日、緊急対策会議を開いた。県は30日まで「ツキノワグマ出没警報」を発令している。 「自宅前で頭をかじられた」――。被害に遭った男性は、頭や顔に大けがを負い、自力で家の中へ逃げ込んで119番。秋田市内の病院に救急搬送されたが、頭蓋骨骨折などの重傷で、両目を失明した。命に別条はないというが、入院し治療を受けている