今年6月に世を去ったコラムニスト・小田嶋隆さん。その文章テクニックや執筆におけるスタンスなどに関して、えのきどいちろう氏、オバタカズユキ氏、武田砂鉄氏が語り合う。 (『中央公論』2022年10月号より抜粋) ──6月24日に小田嶋隆さんが65歳で亡くなりました。 えのきど 僕との関係から話すと、キャリアのわりと早いうちの1980年代終わりから、同じ雑誌で書いていました。のちに僕も小田嶋さんもTBSラジオに出演するようになって、そのご縁で、スタジオでご一緒したこともあります。小田嶋さんとコラムの話を一番したのは、同じく同世代のコラムニスト、神足裕司(こうたりゆうじ)を囲んだイベントの壇上です。神足が、くも膜下出血で倒れて話せなくなった後、僕が司会役で「おしゃべりできない人のトークショー」というのを何度かやりまして。小田嶋さんは手弁当で出演してくれて、自分と神足のコラムの違いとか、サービス精神