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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (7)

  • 高度に発達した科学は音楽と見分けがつかない『零號琴』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    一気に読んだ。最初は座っていたのだが、そのうち立ち上がり、ぐるぐるして、最後は叫びっぱなしだった。 何を見ても何かを思い出す これは、エヴァとゴレンジャーとプリキュアのパロディであり、ナウシカとシンゴジとシンフォギアのリスペクトであり、どれみとどろろとまどマギの同人であり、火の鳥と寄生獣と日沈没のオマージュである。ただし、どれも知らなくても無問題だ(後で説明する)。 これ、好きな人ならいくらでも幻視できる怪物で、どこを読んでも、何を切り取っても、どこかで観た・読んだ過去の作品とつながり、思い出し、いま目の前で進行する美麗で壮大で禍々しくもバカバカしい物語にオーバーラップする。 拡張現実から拡張虚構へ どっぷり漬かりながら、ふと気づく。これ、小説でARを実現した人類最初の作品ではないかと。AR、つまり拡張現実(Augmented Reality)をテーマにしたというのではなく、この怪作を読

    高度に発達した科学は音楽と見分けがつかない『零號琴』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    まとめ すごく長くなったので、まとめる。まず、今年のベスト。 このがスゴい!2018のラインナップ。 このがスゴい!2018の一覧は以下の通り。 ◆フィクション 『ランドスケープと夏の定理』高島雄哉(東京創元社) 『舞踏会へ向かう三人の農夫』リチャード・パワーズ(河出書房新社) 『寿司 虚空編』小林銅蟲(三才ブックス) 『直線』ディック・フランシス(ハヤカワ文庫) 『ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ(作品社) 『槿』古井由吉(講談社文芸文庫) 『平家物語』古川日出男(河出書房新社) ◆ノンフィクション 『知の果てへの旅』マーカス デュ・ソートイ(新潮クレスト・ブックス) 『愛とか正義とか』平尾昌宏(萌書房) 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』吉川浩満(河出書房新社) 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ(ダイヤモンド社) 『文学

    この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • 『土と内臓』はスゴ本

    人体をトポロジー的に見ると、消化器官を中心とした「管」となる。もちろん胃や腸には逆流防止のための弁が備えられているが、位相幾何学的には「外」の環境だ。 この見方を推し進め、内臓をぐるりと裏返しにしてみる。くつ下を裏返すように、内側を外側にするのだ(このグロい思考実験は、クライヴ・バーカーのホラー小説でやったことがある)。裏返しにされた小腸や大腸を見ると、そこに植物の根と極めてよく似た構造と営みを見出すことができる。「水分や栄養素を吸収する」相似だけでなく、そこに棲む微生物との共生関係により、健康や成長面で重要な物質がやり取りされている。根と腸は、微生物とのコミュニケーションや分子取引をする市場なのだ。 書の結論は、微生物を中心とした人体の腸と植物の根の相似型であり、これに頭をガツンとやられた。ばらばらに得てきた知識が書で一つにまとまるとともに、わたし自身が囚われていた先入観がぐるりと―

    『土と内臓』はスゴ本
  • 『人喰いの大鷲トリコ』と人工知能について

    ゆっくり時間をかけて『人喰いの大鷲トリコ』をクリアした。これ、控えめにいってゲーム史に残る大傑作で、PS4あるなら是非ともプレイしてほしい。人を喰らうという巨獣「トリコ」と、少年が紡ぐ、新たな神話を目にしてほしい。 廃墟となった古代遺跡の中を、少年と大鷲が謎を解きながら探索するのだが、プレイヤーが操作できるのは少年だけ。身体の小ささで狭い穴をくぐったり細い柱を渡ることはできるが、いかんせん非力だ。「敵」が現れても倒すこともできず、捕まったら連れて行かれる(『ICO』の白い少女を思い出す)。 いっぽう大鷲は、強く、巨大で、賢い。一撃で「敵」を薙ぎ払い、軽々と絶壁を飛び越え、少年の言うことに耳を傾ける。犬のような顔つきに、羽毛で覆われた身体、そして猛禽類の翼と肢を持ち、のようにしなやかだ。少年は、大鷲にしがみつきよじ登ることで、単独で行けない場所に行けたり、ギミックを動かせるようになる(『ワ

    『人喰いの大鷲トリコ』と人工知能について
  • この本がスゴい!2016

    人生は短く、積読山は高い。 せめては「死ぬまでに読みたいリスト」を消化しようとするのだが、無駄なあがき。割り込み割り込みで順番がおかしくなる。読了した一冊に引きずられ、リストは何度も書き直される。 重要なのは、「あとで読む」は読まないこと。「あとで読む」つもりでリツイート・ブックマークしても読まないように、あとで読もうと思って読んだ試しはない。だから、チャンスは読もうと思ったそのときしかない。実際に手にとって、一頁でも目次でもいいから喰らいつく。勢いに任せて読みきることもあれば、質量と体力により泣く泣く中断するもある。かくして積読山は標高を増す。 ここでは、2016年に読んだうち、「これは!」というものを選んだ。ネットを通じて知り合った読書仲間がお薦めするが多く、それに応じてわたしのアンテナが変化するのが楽しい。わたし一人では、数学経済学歴史学、進化医学や認知科学の良を探し出せな

    この本がスゴい!2016
    nekoprotocol
    nekoprotocol 2016/12/01
    相変わらず素晴らしい。
  • このハヤカワがスゴい!

    オススメをもちよって、まったり熱く語り合うスゴオフ、今度は「ハヤカワ」だ。 つまり、早川書房が肴だ。SF、NV、JA、HM、NF、FT、epi、演劇、もちろんハードカバーやミステリマガジンもOKだ。それではと、ハヤカワ・マイベストを選ぼうにも……これがすっごく難しい。「この新潮文庫がスゴい!」と同じで、素晴らしいがありすぎるのだ。 「ハヤカワといえばSFだろ常識的に考えて」、「ハヤカワといえばミステリの王、いや女王」という意見がある。全面的に賛成……なのだが、わたしの傾向では、NV(ノヴェル)やNF(ノンフィクション)を好んで読む。シリーズ丸ごと推したいのがハヤカワepi文庫。epiとは、"epicentre"の略で、「震源」のこと。海外小説の素晴らしさを伝える発信源たる思いが込められているという(こっそり「よりぬきハヤカワさん」と呼んでいる)。スゴが、傑作が、徹夜小説があまりに多

    このハヤカワがスゴい!
  • 釘宮病チェックリスト100

    ツンデレを嫁にするくらい好きなんだが[証拠]、まさか釘宮病にまで達しているとは思い及ばなかった。 たまごまごさんのこのエントリには当に感謝している。わたしは、「釘宮ぁ? ああ、アルフォンスね」ぐらいしか見ていなかったのだ。そんなわたしに、いかにこの声でこの言葉を待っていたかを気づかせてくれたから。今では一日一回は聞かないと眠れなくなっている。 釘宮病のすごさについては、たまごまごさんが的確に表している。 釘宮病のすごさは、多分こういうM心あおる動画を見たあとに鏡で顔を見たら絶望するくらいになってしまうことと、同時に女の子に対して萌えでねじふせるだけの意欲を喚起させられること、かしら? 激同、ニヤニヤが止まらない、リフレインが叫んでる。以下、水瀬伊織の罵倒台詞を挙げるので、ココロに挿入(はい)ったらチェックを入れてほしい。一つでも反応したら、釘宮病への免疫は無いし、ちょいとでもニヤニヤした

    釘宮病チェックリスト100
    nekoprotocol
    nekoprotocol 2007/10/27
    世界を理解する一助としてブクマ
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