毎日のように、「○○万件の情報漏えい」「Webの改ざん」「不正侵入」などのセンセーショナルな文言が新聞やネットニュースで踊る。このようなご時勢なので、国や自治体などの公共機関も、企業やその他の組織もセキュリティ対策を実施する。しかし、セキュリティ対策とハッカーの攻撃は常にいたちごっこの状態だ。防御側であるシステム管理者は、幾重に対策を施しても終わることがない“無間地獄”のように感じている方も多いだろう。 これまで触れてきた全体の概略や「城郭」「進撃の巨人」を通じ、現在のセキュリティを取り巻く状況を多少はイメージしてもらえたと思う。今後より深く理解していただくために、今回からセキュリティやそれを取り巻くIT分野全体の歴史を中心に話を進めていこう。 インターネット黎明期はセキュリティも黎明期 サイバーセキュリティの戦いが日本や世界で起こったのはいつ頃だろうか。 1990年代半ばまでコンピュータ