8月29~30日に開催された「第54回日本SF大会 米魂(こめこん)」の中で、「『オタク』に関する高等教育(海外編)」というプログラムがあった。そこで話したのは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の准教授、杉浦一徳氏。杉浦氏は「オタク文化」の講義を受け持ち、自らコスプレし授業を行っている。 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 准教授 杉浦一徳氏 なぜコスプレで授業をするのか。杉浦氏はその理由をこう話す――「『オタク』を意識した講義は他の高等教育機関においても多数存在する。しかしぼくは、わざわざ大学院にまで来ている学生に対して、授業のコンテンツ自体を売りものにしようとは思っていない。今はネットを探ればそんなものはいくらでもある。『何かを上から教える』、そうではなくて、下から目線で接する。『下から目線』というのは、例えば『一方的に教える人』ではなく、自分が『実際にやってる人』であるこ