東京ステーションギャラリーでの「みちのく いとしい仏たち」。中央的な仏像に慣れた目には新鮮とも言える造形的魅力を持つ仏像を通し、東北の人々の生活に根差す真摯な祈りに触れる展覧会。展示された仏像は非常にすばらしく、それこそ胸が詰まるような思いで見たが、その横に添えられたキャプションが最低だった。作品は年間ベスト級だが、展示はワーストかもしれない。なんたること。 私はそもそも客観性を欠いたキャプションを好まないし、エモさを押し売ってくるような解説も嫌い。でも、それだけであれば好き嫌いの話で終わる。だけど今回の展示はそういうレベルの話ではない。キャプションに踊る「かわいい」「稚拙」と言った言葉は、「うーん、こういうの好きじゃないな」ではなく「これ、普通に問題あるでしょ」なのだ。そう、ハッキリ言ってこんなの一種のオリエンタリズムでしょ、って話なのよ。 解説では「これまで中央的美の観点からは不当な扱
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