ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (206)

  • ISSから2人が帰れず、「取り残された」宇宙飛行士はどうなるのか

    2024年7月11日、国際宇宙ステーション(ISS)で撮影されたNASA宇宙飛行士のチーム写真。(下から時計回りに)マシュー・ドミニク氏、ジャネット・エップス氏、スニタ・ウィリアムズ氏、マイク・バラット氏、トレイシー・ダイソン氏、バリー・ウィルモア氏。(Photograph by NASA) ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」の技術的な問題により、宇宙飛行士のスニタ・ウィリアムズ氏とバリー・ウィルモア氏は、予定を大幅に超えて国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することになった。しかし、宇宙に「取り残された」宇宙飛行士は、この2人が初めてではない。また、同じようなことはこれからも起こりうる。 地政学的な理由や自然がもたらすリスクなど、様々な理由で飛行士の宇宙滞在が予定よりも長引くことはたまにある。そして、宇宙飛行士も宇宙機関も、このような事態を想定して準備をしている。 乗って帰る

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  • ネコを死なせる「よろよろ病」、北米で初確認、野生のピューマで

    米国ワイオミング州ケリーに設置された遠隔カメラが捉えた野生のピューマ。病気の個体の動画はこちら。(Photograph by Charlie Hamilton James, Nat Geo Image Collection) ネコ科の動物を死なせる「よろよろ病」と呼ばれる感染症に、北米の野生のピューマがかかっていたことが明らかになった。よろよろ病は、ヨーロッパでは50年前からイエネコや動物園の動物で確認されているが、北米で確認されたのはこれが初めてだ。論文は新興感染症の専門誌「Emerging Infectious Diseases」2024年8月号に掲載された。 ピューマを調べた米コロラド州立大学の野生動物病理学者のカレン・フォックス氏は、「罹患したのがこの個体だけなら心配はしません」と言う。「けれども経験的に、私たちが発見する疾患は氷山の一角であり、これまでに見落としてきた症例がたくさ

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  • 月が本当に人間に影響を与えている可能性、驚きの最近の証拠

    満月の頃と重なった秋分の日、ストーンヘンジに集まる大勢の人々。満月の時期には、人々の睡眠時間が短くなるという証拠が見つかっている。(PHOTOGRAPH BY ALICE ZOO, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 太古の昔から、世界中の人々は、満月が心と体に変化をもたらし、われわれをより暴力的にしたり、奇妙な行動をとらせたりすると信じてきた。研究者らは長い間、そうした主張を否定してきたが、最近の研究では、月のサイクルが一部の人々にかすかな影響を与えることが示唆されている。とりわけ、睡眠、女性の月経周期、双極性障害の人の気分の変動といった、周期的な現象においてだ。 月の周期の影響を受ける動物はいる。海では、月は潮の満ち引きだけでなく、そこで暮らす生物にも影響を及ぼす。多くのサンゴや多毛類(ゴカイなど)、ウニ、軟体動物、カニが満月の前後に産卵するのは、光の増加によるものだと

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  • 古代エジプトの神殿、2000年分の汚れを落としたらすごかった

    エジプトのルクソール近郊の町エスナにあるクヌム神殿から煤や泥を取り除いたところ、天井や円柱が2000年前の色鮮やかな姿を取り戻した。(ELIZABETH BEARD/GETTY IMGAGES) およそ2000年前につくられた古代エジプトの神殿の天井を研究者チームが復元したところ、驚くべき発見がもたらされた。黄道12星座やその他の星々を描いたフルカラーのレリーフのほか、ヒエログリフ(象形文字)の碑文も見つかり、これらの天体図に隠された意味を解くカギとなりそうだ。(参考記事:「ヒエログリフを解読した「エジプト学の父」シャンポリオンの生涯」) 天井が復元された神殿は、エジプト中南部の町エスナに残るクヌム神殿だ。プロジェクトには考古学者でエジプト学者のヒシャム・エライシー氏を中心とするエジプト観光・考古省と、ドイツのテュービンゲン大学から計30人の研究者が参加。5年余りに及ぶ作業で、当時の色彩を

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  • 第1回 知ってるようで知らないマヤ文明

    マヤ文明と言ったら、どんな言葉や風景を思い浮かべるだろうか。ミステリアス、謎、未開、石造ピラミッド、ジャングル、王墓、装飾品などなど。もしかしたら、今これを読んでいる人は「2012年世界滅亡」と答えるかもしれない。今年話題にのぼることが多い終末思想は、マヤ暦と関係あると言われているが、当にそうなのだろうか。最近多くテレビで取り上げられているものの、知られているようで実は正確に知られていないマヤ文明。これから4回にわたってマヤ文明の真の姿に迫ってみたい。 「大河」と無縁の古代文明 古代文明と言えば、おそらく多くの人が大河流域で栄えたことをイメージするだろう。エジプト文明はナイル川流域で、メソポタミア文明はチグリス・ユーフラテス川流域で、インダス文明はインダス川流域で、そして中国文明は黄河・長江流域で成立したといった具合に。しかし、マヤ文明はそれほどの大河が存在せず、川が近くにない場所に

  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • きょうだいの順番と性格はほぼ関連ゼロ、なぜ「ある」と信じる?

    3歳、5歳、8歳の兄弟。兄弟姉妹はあなたの経験を形成するが、生まれた順番はあなたの性格と関係があるのだろうか? 研究者によれば、遺伝と環境の組み合わせが関係している可能性が高いという。(PHOTOGRAPH BY HANS NELEMAN, GETTY IMAGES) あなたは責任感の強い長男長女か、見過ごされがちな真ん中か、それとも自由奔放な末っ子か? 生まれた順番による「きょうだい型」が性格に影響するという説を信じる人にとって、この質問の答えは、あなたがどのような人物であるかの鍵を握っているかもしれない。パーティーや家族の事会、セラピーのセッションなどでは、きょうだい型が性格を表す略語のように使われることがある。わがままな一人っ子、注目されたい真ん中というように。 あなたの個人的な経験は、その説が正しいことを示唆しているかもしれないが、心理学者の意見は異なる。ここでは、その固定観念を

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  • 夫婦の寝室は分けるべきか、仲を円満にする「睡眠離婚」のコツ

    快適な睡眠を妨げる要因を減らすために、夫婦が別々のベッドや寝室で寝る「睡眠離婚」が増えている。(Photograph by Dorothy Sing Zhang) 米国睡眠医学会が2023年3月に実施したアンケート調査によると、米国人の3分の1以上が、パートナーと寝室を分ける「睡眠離婚」を選択している。俳優のキャメロン・ディアス氏や司会者のカーソン・デイリー氏などの有名人を含め、睡眠の質を優先させるために別々のベッドや部屋で寝るカップルは増えている(編注:日では、 2011年に学術誌「日建築学会計画系論文集」に掲載された論文によると、別室で眠る夫婦は約22%であり、結婚から調査時までに別室就寝の経験がある夫婦は3分の1を超えたという)。 「夫婦は一緒に寝るもの、という固定観念に、私たちはとらわれてしまっています」と話すのは、『A Sleep Divorce: How to Sleep

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  • 「やせ薬」の思わぬ効果が続々、心臓や腎臓、不妊や依存症にも

    2型糖尿病の治療薬であるオゼンピック(セマグルチドの商品名のひとつ)を使用する患者たちには、炎症の改善など、さまざまな健康効果が見られている。(PHOTOGRAPH BY RICARDO RUBIO, EUROPA PRESS/GETTY IMAGES) 米ヒューストン郊外在住のケーシー・アーノルドさんは、2023年の冬に55歳で完全にたばこをやめるまで40年間にわたって喫煙を続け、多い時は1日に2箱吸っていた。そんな彼女の禁煙を助けてくれたのは、「GLP-1受容体作動薬」という新しいタイプの減量薬だった。 GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の生成と放出を促し、消化のスピードを遅くし、欲を抑える働きをもつホルモンだ。元は糖尿病の治療薬として開発されたエキセナチド、チルゼパチド、セマグルチドといったGLP-1受容体作動薬は、このGLP-1をまねて

    「やせ薬」の思わぬ効果が続々、心臓や腎臓、不妊や依存症にも
  • 新種の恐竜を発見、「衝撃的に小さな巨大恐竜」ティタノマキア

    6700万年前、南米のパタゴニア中部に生息していたと思われる新種のティタノサウルス類の復元図。(ILLUSTRATION BY GABRIEL DÍAZ YANTÉN) 南米のパタゴニアで、新種の恐竜が見つかった。ティタノマキア・ギメネジ(Titanomachya gimenezi)という学名がつけられたこの恐竜は、長い首を持つ巨大な草恐竜ティタノサウルスの仲間だ。ただし、この恐竜は成長しても大型のウシほどの大きさにしかならない。論文は、4月10日付けで学術誌「Historical Biology」に発表された。 新種の恐竜は、アルゼンチンにあるエジディオ・フェルグリオ古生物博物館の古生物学者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるディエゴ・ポル氏の研究チームが発見した。同氏らは、南米における恐竜時代の終焉を探る研究を行っており、それが今回の発見につながっ

    新種の恐竜を発見、「衝撃的に小さな巨大恐竜」ティタノマキア
  • 実は希少ではないダイヤモンドが高価な宝石になるまで

    写真の「センテナリーダイヤモンド」は世界最大級の無傷のダイヤモンドで、原石の重さは599カラットもあった。デビアスが所有する南アフリカのプレミア鉱山(現在の名称はカリナン鉱山)で1986年に発見された。センテナリーとは百周年の意で、デビアス社100周年を記念して名づけられたもの。(PHOTOGRAPH BY PATRICK LANDMANN, GETTY IMAGES) 1960年、グラディス・バブソン・ハンナフォードは、米フロリダ州立大学で課外授業を行った。「ダイヤモンド・レディー」の名で知られる彼女は、ダイヤモンドの「専門家」としてダイヤモンドに関する「教育的」な講演を年間数百回も行っていたが、実は広告代理店に雇われた人物だった。彼女に与えられた使命は、野心的かつシンプルなもの。それは「米国の女性にダイヤモンドを欲しがらせること」だった。(参考記事:「約5億円で落札、謎のブラックダイヤ

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  • 石で描かれたユダヤ人の遠い記憶

    イスラエルのガリラヤ地方で見つかった5世紀に建設されたシナゴーグの床は、モザイク画で飾られていた。右側に描かれているのは、エルサレムの大祭司とアレクサンドロス大王が会談している場面とも考えられる。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN) 埋もれていた古代ローマ時代のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)から巧妙に作られたモザイク画がいくつも発見された。そこに描かれた場面は、長く信じられてきた古代ユダヤ人に関する物語を覆すようなものだった。 考古学者のジョディ・マグネスは、何が見つかるのだろうかと確信をもてないまま、ガリラヤ湖を見下ろす日当たりの良い丘を登っていった。2010年夏のことだ。イスラエル北東部に位置するこの地にはかつて、フコックと呼ばれる古代ユダヤ人の村があったが、そのとき彼女の目に映ったのは、数百年前に建てられた石造りの建物の残骸や比較的新しいがれき、そして咲き乱れるノ

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  • 京都の桜満開日、1200年分の記録は世界一、100年で2週間早く

    満開に咲き誇る京都の桜。毎年この時期、京都には桜を見るために世界中から観光客が訪れる。(Photograph by Rinko Kawauchi) 毎年桜が開花する時期になると、人の心をとりこにする美しい眺めとアーモンドのような香りに引き寄せられて、世界中から観光客が京都に押し寄せる。しかし昨今、桜が満開になる時期は1850年と比較して2週間近く早くなっていることが、2022年5月に学術誌「Environmental Research Letters」に発表された論文で示されている。 気候変動が花を咲かせる植物に与える影響を研究している科学者たちは、その最も重要な基準の一つとして、桜が咲く時期に注目している。「私たちは今、人類がこれまで経験したことのない急激な気候変動に直面しています」と、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学の准教授で、植物群落と気候変動を研究しているエリザベス・ウォルコ

    京都の桜満開日、1200年分の記録は世界一、100年で2週間早く
  • 生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説

    生命の最初の兆候は、約35億年前までに出現した。科学者たちは、初期の生命は落雷によって形成されたか、深海の噴出孔で誕生したのではないかと考えている。(ILLUSTRATION BY GREGOIRE CIRADE, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 約46億年前に地球ができてから数億年の間、地表はほぼ確実に高温で、彗星や小惑星の衝突も激しかったため、いかなる生命体も生息できない環境にあった。だが、約10億年後には、生命が誕生しただけでなく、微生物マット(微生物がマット状にかたまって増殖した状態)の化石という形で痕跡を残すまでになっていた。(参考記事:「40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった」) その間に一体何が起こったのか? 5億年かそこらの間に、生命はどのようにして無生物から誕生したのだろうか。これまでに提唱された3つの主な理論を紹介しよう。 1. 大気から雷によって生ま

    生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説
  • 見事なヒスイの石仮面を古代マヤの王墓で発見、「闇の時代」に光

    翡翠(ヒスイ)のモザイクでできた小さな仮面。目と歯にはウミギクガイの殻が使われ、嵐の神を表している。紀元350年ごろにチョチキタムに埋葬された王の胸の上に置かれていた。(PHOTOGRAPH BY RUBÉN SALGADO ESCUDERO) チョチキタム遺跡は、中米グアテマラのヤシの木が茂る熱帯雨林の中、落ち葉と石の塊に埋もれた場所にある。これまでほとんど知られていなかったこの遺跡は、考古学的な大発見が起こるような場所にはとても見えないかもしれない。ましてや、長い間、研究者たちを悩ませてきた闇の時代の手がかりが見つかるとは、誰も考えなかったはずだ。 しかし、それが現実になった。この場所で、翡翠(ヒスイ)を組み合わせて作ったミステリアスな仮面が発見されたのだ。これまで知られていなかったマヤの王のものだと考えられている。(参考記事:2024年3月号特集「ベールを脱ぐ古代マヤ」) 調査を率い

    見事なヒスイの石仮面を古代マヤの王墓で発見、「闇の時代」に光
  • 人生の最期、おだやかな旅立ちを支える「終末期ドゥーラ」

    死に至る過程と臨終の場で患者と家族を支援するために、終末期ドゥーラは医療以外の面から介入する。(PHOTOGRAPH BY ARMAN ZHENIKEYEV, GETTY IMAGES) 2017年1月、64歳のジェリー・クリーハンさんが筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された時、ジェリーさんとのスーさんはこれから苦難が待ち構えていることを悟った。1年以上前からジェリーさんは体のバランスを取ることが難しくなり、たびたび転倒して起き上がることができなかった。ALS(過去には「ルー・ゲーリック病」として知られていた)は進行性の神経障害で、随意筋運動や呼吸、その他の身体機能をつかさどる脳の神経細胞と脊髄に障害が起き、進行すると麻痺が生じて死に至る。 2020年にジェリーさんの症状はさらに進行し、車椅子の操作には視線入力技術を、呼吸には非侵襲的(危険や痛みを伴わない)人工呼吸器を使用しなければな

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  • コロナ後遺症の「だるさ」、筋肉にまで根深いダメージ、最新研究

    イタリア、ASL3ジェノバ心臓リハビリテーション科でリハビリを受ける新型コロナ後遺症患者。同科では2020年から、新型コロナウイルス感染症で入院した患者のためのリハビリテーションプログラムを実施している。(PHOTOGRAPH BY MARCO DI LAURO/GETTY IMAGES) 新型コロナウイルス後遺症(罹患後症状)の患者の多くは、主な症状として運動機能の低下を訴える。心身に負荷をかけすぎた後は激しいだるさ(倦怠感)に襲われて、その繰り返しにより病状が悪化するおそれがある。「運動後(労作後)倦怠感」(PEM)として知られるこの症状は、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」(ME/CFS)の特徴的な症状でもある。 このほど、新型コロナ後遺症患者にみられる倦怠感に一つの説明を与える論文が2024年1月4日付けで学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表された。新型コロナ後遺症の患

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  • 女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明

    32歳の健康な女性の頭部MRI冠状断画像(画像は着色されている)。最近の研究により、女性の特定の脳領域の体積は月経周期とともに変化することが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY DR P. MARAZZI, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 月経周期を生じさせている女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の増減にあわせて、感情や記憶、行動、情報伝達の効率などをつかさどる脳の領域も劇的に変化していることが、同時期に発表された2つの研究で示唆された。2023年10月5日付けで学術誌「ネイチャー・メンタル・ヘルス」に発表された研究と、2023年10月10日に査読前論文を投稿するサーバー「bioRxiv」で公開された研究だ。 女性の脳の変化が感情や認知にどんな影響をもたらしているのかまではまだわからないが、米ノースウェスタン大学の神経生物学者であるキャサリン・ウーリー氏は、

    女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明
  • 古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠

    スキタイ人の墓から出土した2400年前の皮や毛皮の断片47個のうち、少なくとも2つが人間のものだったことがわかった。(PHOTOGRAPH COURTESY MARINA DARAGAN) 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、2400年以上前に、騎馬遊牧民のスキタイ人は人間の皮を使って矢筒を作ると書き残した。これまで疑問視されることが多かった記述だが、このたび、それが事実だったことが確認された。2023年12月13日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文には、「この調査結果によって、ヘロドトスのおそろしい主張が裏付けられたものと考える」とある。 ヘロドトスによると、スキタイ人は最初に殺した人間の血を飲んだり、頭皮を集めたりしていた。「死んだ敵の右手から、皮や爪などあらゆるものを集め、矢筒のカバーにする者も多い。人間の皮は厚く、光沢があるので、あらゆる動物の皮の中で一番明るく白いとも

    古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠
    nenesan0102
    nenesan0102 2024/02/14
    飾り板がかっこよすぎる
  • 不思議な気象現象、“雷雪”の謎に迫る

    アメリカ、ミネソタ州の農場の上空でとどろきを上げる雷雲(写真左)。雷雲は、地表近くの暖かく湿った空気が上昇して、大気の状態が不安定になった場合に発生する。 アメリカでは、晩冬から早春にかけてこのような条件がそろうことがある。吹雪の中で雷鳴と雷光が発生する珍しい気象現象で、「雷雪」と呼ばれている。 雷雪の研究者は、雪中撮影装置(写真右)を用いて雷雪の形成メカニズムを調査している。 Photograph by Richard Olsenius/NGS (left) and courtesy Patrick Market (right) 3月1日~2日、アメリカ東部地方は広範囲にわたって晩冬の雪嵐に襲われた。猛烈な吹雪となり、激しい雷鳴がとどろいた。住民は寒さと音で大変だっただろう。おや?そういえば雷が鳴るのは夏ではなかったか? 雪雲に伴う雷は珍しい気象現象であまり知られていないが、「雷雪(th

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