——仕事をしない管理職というのは、日本企業に限った話ではないのですね。しかし困ったことに、彼らは一般の社員に比べれば、かなりの高給をもらっています。 グレーバー それが皮肉なのです。実際には何もしていない人のほうが、具体的に役立つことをしている人よりも、はるかに給料がいい。仕事が社会に貢献している割合と、もらっている報酬が、逆相関になっているのです。たとえば、コンサルタントの仕事です。以前には、そもそもコンサルタントという仕事はありませんでした。また、かつては人事部には1人の社員しかいない場合も多かった。 いま、会計士の多さは異常なレベルです。現在イギリスには会計士が36万人ほどいますが、これは計算すると、全労働者の92人に1人が会計士だということです。大学施設、教育機関、健康管理部門も、昔は少数の人しかいなかったのが、非常に大きな規模になっています。 自分の仕事を「必要ない」と思う人々