派手なタイガーマスクの姿で東京・新宿の街で新聞を配り始めて、48年。72歳の原田吉郎さんは今も朝3時半に起床し、朝夕刊を配る生活を続けている。 「お金よりも夢だよ、ワッハッハ」と笑う原田さんが私たちに投げかけるモノとは何か? ピンクのアフロヘアのかつらとタイガーマスクのお面に花柄の衣装をまとい、電動自転車を漕ぐ。荷台には約300部の新聞が縛られ、前かごに入った古いカセットテープレコーダーからは高倉健の歌謡曲「唐獅子牡丹」が大音量で流れている。 午後3時を過ぎると、この派手な姿で新宿の街に夕刊を配りに行く。街ゆく人は思わず振り返る。いつごろからか原田さんは「新宿タイガー」と呼ばれるようになった。 流石に朝刊を配る早朝には曲を流さないが、衣装はそのままだ。若かったころの私も新宿で朝方まで飲んでは、何度もタイガーマスクに出くわした。 そのたびに「おかしなオッサンだなあ」と感じたことを思い出す。
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