教授を務める東大で進めていたネコの腎臓病治療薬の研究に対し、全国から3億円超の寄付が寄せられ話題となった宮崎徹さん(60)が今春、東大を辞めて非営利の一般社団法人「AIM(アイアム)医学研究所」(東京都)を設立、代表に就任した。今年終わりから来年初めにはネコ薬の治験に入り、「5年以内にはヒト薬でも臨床を始めたい」という。日本の最高学府で創薬と実用化を進めるのは、難しいのだろうか。 「東大は大変恵まれた大学で、基礎研究は非常にやりやすい。だが、創薬という結果を早く出すのは難しい、と思ったからです」 独立の理由を宮崎さんはこう話す。研究所には、東大の研究室にいた准教授や研究員ら20人全員がついてきた。寄付金を資本金に、実務面は弁護士や税理士、弁理士などに外部委託。国内の製薬会社と協業に向けた作業を進めている。 開発中のネコ薬は、宮崎さんが発見し23年前に論文発表した、多くの動物の血液中に共通し