重要かつ優れた論考ですので、著者の牧田純平氏の許しを得て、ブログにアップさせていただきます。 ドローンとイエメンに興味のある方には必読の文献かと判断しています。 -------------- 1.激化するドローン戦争 「この攻撃は、300カ所の重要施設に対する攻撃の始まりに過ぎない」 フーシ派によるドローン攻撃の激しさが、かつてないレベルに達している。2019年5月11日、サウジアラムコの石油圧送施設に対して、フーシ派はドローンを用いた攻撃を実施、施設の一部で火災が発生し、同施設の操業を4日間停止させた。冒頭の発言は、この攻撃事案の後、フーシ派の軍関係者の発言としてメディアで紹介されたものだが、この発言を裏付けるかのように、サウジアラビア-イエメン国境付近の都市に対し、フーシ派ドローンが連日のように攻撃を仕掛けている。 イエメンでは2015年以来、サウジアラビアらが支援するハーディ大統領派